“精子提供”で出産したレズビアンのカップルを紹介するNHKの意図

LGBT運動のイメージ
LGBT運動のイメージ

2人の責任言及せず

6月は「プライド月間」。と言っても、日本ではあまりなじみはないが、いわゆるLGBT(性的少数者)の権利拡大への支持を示す月間だ。1969年6月、米国ニューヨークで、ゲイバーに警察官が不当な踏み込み捜査を行ったことに対して、ゲイの当事者らが暴動を起こした「ストーンウォール事件」にちなんで始まったという。

バイデン大統領が「プライド月間」を公式に宣言している米国と違い、日本政府はこの月間に何かするということはない。しかし、かねてLGBT運動を熱心に支持するNHKは違った。

看板の報道番組「ニュースウオッチ9」は10日放送分で、「性の多様性を尊重するプライド月間」の企画として「ある家族の物語」を紹介した。

その家族とは、共通の知人から“精子提供”を受けて出産、子育てするレズビアン(女性同性愛者)とそのパートナー。昨年4月スタートした東京都足立区のパートナーシップの第1号カップルだ。

出産したのは昨年12月。2人は法的には他人だから、出産した母親は当然シングルマザーで、生まれた子は非嫡出子だ。出生届には、パートナーとの関係を記す所はない。

母親は子供の将来を考えて、保険会社の学資保険に入った。しかし、パートナーにはその資格がない。「血のつながりのない私に、何かあっても法的に守られることはないので、子供に不利益が行く可能性が高い」と心配する。

パートナーシップは「結婚に相当する関係」として、自治体レベルで認められても結婚ではない。母親のパートナーは、子供とは法的に「親子」になれないことは、子供ができる前から分かっていたはず。なのに、その現実について不満を口にするのは、自分たちの問題行動を結婚と認めない社会の問題にすり替える責任転嫁と自己正当化にしか聞こえなかった。

また、精子提供までして出産した2人の責任にまったく言及しないNHKは、報道機関としての責任を果たしているのか。子供は本当に幸せになれるのか。そんな疑問を持った視聴者が多かったはずだ。