アジア安保会議、聞こえはいいが胡散臭い朝日社説の対話協調路線

クアッドサミットに参加する岸田首相
クアッドサミットに参加する岸田首相

3年で世界様変わり

アジア安全保障会議がシンガポールで開催された。新型コロナウイルスの感染拡大で2回にわたって中止を余儀なくされた同会議は、3年ぶりの開催だ。

この3年で世界は大きく変わった。

核大国でもあるロシアが2月にウクライナに侵略し、いまだに戦争は終わっていない。軍事力拡大を続けてきた中国は南シナ海の軍事基地化を推し進め、台湾への武力行使の可能性を否定しないばかりか香港返還後も50年間、自治を認めるとした約束を反故(ほご)にし、尖閣沖に海警船を毎日のように出している。

対する西側諸国も、米英豪がAUKUS(オーカス)という新たな協力体制を組むようになった。

12日付朝日社説「アジア安保会議 力の支配許さぬ連携を」は、「台頭する中国と平和的に共存するには、力による対峙(たいじ)だけではなく、直接対話や国際機関を介した協調など、重層的なアプローチが欠かせない」と主張。朝日のスタンスは、二者択一ではないふうに書きながらも、軍事的対応力を備えることより対話協調路線に主眼を置いている。

また、14日付日経社説「日中正常化50年に欠かせぬ本音の対話」は、「歴史的な日中国交正常化に道を開いた共同声明の署名は72年9月だった。これに先立つ当時のニクソン米大統領の訪中もあり、中国は政治体制の違いを乗り越えて日米への接近を決断した。50年前の選択は世界史を塗り替え、中国に経済的な繁栄をもたらした。歴史の時計の針をいま逆回転させてはならない」と半世紀前を回顧しながら、日中・米中の溝を対話で埋めようとの主張だ。