インタビュー

【持論時論】台湾制圧には戦力不足 どこに向かう中国〈下〉―拓殖大学名誉教授 茅原郁生氏に聞く

 先回、茅原氏は習近平総書記の保身的な感性に触れた。権力闘争に負けた父親を反面教師にし、保身的な感性が強く働くようになったという。その感性からして、茅原氏は台湾は中国にとっておいしい果実だけに、リスクまで犯して急ぐことはなく熟柿作戦を取ると分析した。続いてウクライナ戦争が中国にどういうインパクトを与えたのか聞いた。

【持論時論】眼目は習一強体制の安定 どこに向かう中国〈上〉―拓殖大学名誉教授 茅原 郁生氏に聞く 

鄧小平時代に改革開放に大きく舵(かじ)を切った中国は、習近平体制下の強権統治で縛りを強める。国際戦略としての一帯一路も10年が経過した。中国はどこに行こうとしているのか、その大局観を拓殖大学名誉教授の茅原郁生氏に聞いた。(聞き手=池永達夫)

【持論時論】讃岐国府跡発掘に見る大和との絆 高松大学地域連携センター長・高松短期大学講師 西岡 達哉氏に聞く

日本に古代国家が形成された時代に設けられた讃岐(さぬき)国府は讃岐一国を統治する役所で今の県庁に当たる。国府長官の讃岐守は県知事で、平安時代には菅原道真も務めた。近年の発掘でその全容が明らかになりつつある讃岐国府は、国庁以外の建物の構造が内裏に似ていることが注目され、保元の乱に敗れ流された崇徳上皇もここで晩年を過ごした。香川県埋蔵文化センターで国府跡の発掘に携わってきた西岡達哉氏に、そこから見える大和と讃岐の関係について聞いた。

【持論時論】調停委員が見た家庭問題―学習院女子大学元教授、NPO法人 修学院院長 久保田 信之氏に聞く

家庭問題というと親子問題に集約されがちだが、その前に夫婦の問題が存在する。最近、顕著となってきているのが別々の人生を歩もうとしている夫婦の存在だ。その先には、親子分離の子育て問題が浮上しがちだ。根は夫婦一体化が成されていないことにある。束縛されたり、自分の世界に土足で入り込まれるのが嫌だから、結婚しないという若者が増えてもいる。家庭裁判所の調停委員を長く務めた元学習院女子大学教授で(NPO法人)修学院院長の久保田信之氏に聞いた。

【持論時論】美の死蔵 北海道美術協会会員 山崎 亮氏に聞く

北海道内の美術家の集まりである北海道美術協会(道展)には現在、330人ほどの会員・会友がいる。北海道の美術文化の向上に貢献してきた一方、道展を牽引(けんいん)してきた団塊の世代の会員の作品が、今後自宅に収蔵されたまま日の目を見る機会もなく埋もれてしまうという危惧がある。そうした北海道が生み出した芸術作品を管理・保管する手立てについて道展会員の山崎亮氏に聞いた。

【持論時論】天正遣欧少年使節 千々石ミゲル 棄教していなかった ミゲルの子孫 前長崎県大村市議会議員 中瀬昭隆氏に聞く

日本キリシタン史の白眉の一つが、天正10(1582)年にローマへ派遣された4人の天正遣欧少年使節である。イエズス会巡察師ヴァリニャーノの発案で、九州のキリシタン大名、大友宗麟・大村純忠・有馬晴信の名代として訪欧した。少年らはバチカンで大歓迎され、これによりヨーロッパの人々に日本の存在が広く知られるようになる。4人は1590年に帰国するが、その一人、千々石(ちぢわ)ミゲル(1569~1633)は後に棄教したとされていた。唯一家庭を持ったミゲルの子孫の一人、長崎県大村市在住の中瀬昭隆さんは、最近の発掘から「ミゲルは棄教していなかった」と語る。(聞き手=フリージャーナリスト・多田則明)

【持論時論】秋田の十文字和紙―十文字和紙愛好会会長 泉川 祐子さんに聞く 風合いと手触りに魅せられ

 和紙の魅力に惹(ひ)かれて仲間と共に原料の栽培・採取から紙漉(す)き、作品作り、子供たちへの指導まで行っているのが秋田県横手市の十文字和紙愛好会会長の泉川祐子さんだ。200年以上続く十文字和紙の紙漉き職人が1人だけだと知り「地元の和紙作りを大事にしたい、応援したい」との素朴な動機から仲間と始めた。今では会員が15人となり、若い作り手も加わりバラエティーに富んだ作品が作られ続けている。

【持論時論】教育の核心―学習院女子大学元教授、NPO法人 修学院院長 久保田 信之氏に聞く

教育は「国家百年の大計」とされる。人材育成こそ国家の要であり、100年後の未来の日本を支える人材を養成するために長期的視点で人を育てることの大切さを説いた名言だ。その教育が揺らげば、未来の日本が危うい。「私の生涯の関心事は人間関係と人間形成、すなわち教育だ」という学習院女子大学元教授の久保田信之氏に、「教育の核心」について聞いた。

中国の「認知戦」の脅威 台湾人の抵抗意思くじく 沈伯洋・台北大副教授(上)

台湾有事への懸念が高まる中、中国が台湾に仕掛ける「認知戦」が激しさを増している。認知戦は民主主義社会の言論の自由を逆手に取り、民意を誘導して政治決定に影響を与えようとするもので、陸海空・宇宙・サイバーに続く「6番目の戦場」とまで言われるほどだ。台湾で民間人を対象に防衛講習を行う「黒熊学院」の発起人の一人、沈伯洋・台北大学副教授に認知戦の実態や対応策を聞いた。

【持論時論】自然美を映すキモノの魅力―デザイナー アリオンサナーさんに聞く

海外でも高い評価と人気を誇る日本の着物が、モンゴルで民族衣装などに生まれ変わっている。「終活」や「着る機会がない」といった理由から、家庭で眠ったまま保管されている着物は、ある調査で約8億着、価値にして約40兆円分とされる。中には状態が良く、貴重なものも少なくない。そんな不要になったがまだ使える着物や帯の再活用に取り組む「お針子事業」“Kimono Upcycle Cloth Ohariko”(東京都港区の日本リユースシステム、山田正人代表取締役)は累計41万着余りを国内外で活用・再製品化してきた。主な輸出先の一つ、モンゴルで着物の魅力に惚(ほ)れ込み、同事業の製品デザインを手掛けるモンゴル人デザイナーのハドバータル・アリオンサナーさんにこのほど、話を聞いた。(聞き手=辻本奈緒子)

【持論時論】意識不明になって考えたこと―喝破道場前塾長 報四恩精舎住職 野田 大燈師に聞く

高松空港のカウンターで突然倒れ、意識不明のまま病院に運ばれた禅僧の野田大燈さん。無事に回復したが、死の危機を体験し、77歳の年齢から死後のことを考えたという。曹洞宗を開いた道元禅師は「生死(しょうじ)の中に佛あれば、生死なし」と説く。瀬戸内海を望む五色台の山上にある喝破道場のハーブティー喫茶に老師を訪ね、話を聞いた。

【持論時論】タイ総選挙の焦点―国際関係アナリスト 松本 利秋氏に聞く

タイの総選挙(下院選)が14日に行われる。焦点は、クーデターによってタクシン元首相の政権を奪い9年続いた親軍政治が終止符を打ち、タクシン元首相の次女ペートンタン氏を首相候補として担いだ野党・タイ貢献党が復権を果たすかどうかだ。タイ総選挙の展望を国際関係アナリストの松本利秋氏に聞いた。

【岸田首相暗殺未遂―有識者の視点】「反宗教」助長する救済新法 米ジョージタウン大学教授/ケビン・ドーク氏(下)

――世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への批判が高まったことを受け、悪質な寄付などの勧誘行為を禁じる被害者救済新法が成立したが、山上被告が結果的に暴力で目的を達成したことになり、問題があるとの指摘がある。こうした主張に同意するか。

【岸田首相暗殺未遂―有識者の視点】 模倣犯を生んだ暴力の肯定 米ジョージタウン大学教授/ケビン・ドーク氏(上)

まだ詳細が十分に明らかになっていないが、最も重要なことは、この容疑者が安倍元首相の国葬に対する怒りに言及したという事実だ。このことは、彼が日本の左翼リベラルや左翼的政治思想と関係しているということを意味する。

【インタビューfocus】台湾と韓国で有事同時勃発も マイケル・ピルズベリー氏

中国は1949年の建国から100周年の2049年を目標に、米国から世界の超大国の座を奪おうとしている。中国が隠し持つ「100年マラソン」戦略を暴いた著書で著名なのが、マイケル・ピルズベリー米ヘリテージ財団上級研究員だ。ソウルで開かれた国際会議に出席した同氏に、北東アジアの安全保障情勢や米国の対応などについて聞いた。

【インタビューfocus】中国の台湾侵攻許さぬ対応を 前米国務長官 マイク・ポンペオ氏(下)

ゼレンスキー大統領とは4年以上会っていなかった。今回の訪問では、ゼレンスキー大統領を励ましたかった。それと同時に、ロシアによる主権国家ウクライナへの侵略という悪行に抵抗し、ロシア軍を押し返したことに対して、ゼレンスキー大統領とウクライナ国民に感謝の意を表したかった。

【インタビューfocus】日韓首脳会談は対北抑止力に 前米国務長官 マイク・ポンペオ氏(上)

ソウルで開催された国際会議出席のため訪韓したマイク・ポンペオ前米国務長官は3日、世界日報、米紙ワシントン・タイムズ、韓国紙セゲイルボの3社共同インタビューに応じ、日韓首脳会談の重要性、中国や北朝鮮、ウクライナ情勢について語った。(聞き手=ソウル・豊田 剛)

【インタビューfocus】首相訪韓はムード転換の好機 太永浩・韓国与党「国民の力」最高委員

岸田文雄首相が7日から現職総理としては約5年ぶりに韓国を訪問する。3月の尹錫悦大統領訪日に呼応した「シャトル外交」で、日韓関係改善の動きが加速する可能性も出てきた。韓国与党「国民の力」の最高委員で、韓日議連にも所属する北朝鮮外交官出身の太永浩議員に、日韓関係や両国が直面する北朝鮮の武力挑発などについて聞いた。

熊野信仰と日本人の他界観―生田神社名誉宮司・神戸女子大学名誉教授 加藤 隆久氏に聞く

2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部としてユネスコ世界文化遺産に登録された熊野古道は、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の熊野三山に通じる参詣道の総称。古来、熊野三山が人々の熱狂的な信仰を集めてきたのは、神仏一体の「熊野権現」が貴賎男女の隔てなく、浄不浄を問わず、誰もを受け入れたからとされる。熊野信仰の成り立ちについて生田神社名誉宮司の加藤隆久さんに聞いた。

【持論時論】木の国 秋田から家具の未来へ― 若手と匠の融合で新製品

一枚板のテーブルや美しい曲面の椅子、伝統的な箪笥(たんす)や木のおもちゃ、曲げわっぱの時計など、秋田県の優れた匠(たくみ)が生み出す新作家具展が、このほど秋田市文化創造館で9日間にわたって開かれた。主催は秋田公立美術大学で、秋田県家具工業会が共催。「ORAe展示会2023春」と「第62回秋田県新作家具展」(同工業会)の合同展示会である。その中心で活動している今中隆介氏に新しい家具作りや木工業の未来を聞いた。

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