【社説】最年少完全試合 「令和の怪物」の本領発揮


オリックス戦で完全試合を達成したロッテの佐々木朗希=10日、ゾゾマリン

プロ野球ロッテの佐々木朗希投手が、オリックス戦で一人の走者も出さず打者27人で勝利投手となる完全試合を達成した。20歳5カ月での達成は史上最年少記録だ。

しかも、64年ぶりのプロ新記録となる13連続奪三振との同時達成である。今後どのような記録を打ち立てるのか。末恐ろしい若者である。

ロッテ佐々木投手が偉業

完全試合達成は1994年5月の槙原寛己投手(巨人)以来28年ぶり。令和では初めてで「令和の怪物」にふさわしい偉業である。また、20歳5カ月は60年8月の島田源太郎投手(大洋)の20歳11カ月を更新する最年少記録となった。

プロ14試合目での達成も驚異的である。ちなみにマスクをかぶっていたのは、高卒ルーキーで18歳の松川虎生捕手。フレッシュなバッテリーによる快挙となった。

これまでに完全試合を達成したのは、佐々木投手を含めわずか16人。実力だけでなく、運も味方しなければ難しいだろう。とはいえ、佐々木投手の場合は実力を存分に発揮しての達成だった。

それは13連続奪三振を成し遂げたことからもうかがえる。圧巻の奪三振ショーは一回2死から五回終了まで続き、自己最速タイの164㌔を記録した直球と140㌔台後半のフォークが投球の9割を占めた。

昨季の三振がわずか26でパ・リーグ首位打者に輝いたオリックスの吉田正尚選手からも3三振を奪った。あまりの投球内容の素晴らしさに、ロッテだけでなくオリックスのファンも応援するほどだった。

これまでの記録が9連続だったのだから、いかに傑出しているかが分かる。結局全部で19の三振を奪ったが、これも歴代最多に並ぶという記録ずくめの試合となった。

佐々木投手は、投打二刀流で活躍している米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手と同じ岩手県出身だ。大船渡高時代には高校生最速となる163㌔を出して注目を浴びた。

2020年にドラフト1位でロッテに入団。1年目は公式戦に出場せず、身体の強化に努めた。地道なトレーニングを続ける中、3年目の今季は投球フォームが安定してスピードとコントロールが向上し、本領を発揮し始めている。

160㌔台を連発し、完全試合達成の試合では、投じた105球のうちボール球はわずか23球だった。これまでに先発登板3試合で2勝0敗、42奪三振という成績を残している。

国内外からは、早くも「大谷選手以上」との声も上がっている。大リーグ関係者も熱い視線を送っているようだ。しかし、今シーズンは始まったばかりである。佐々木投手は「今回の記録はなくなるものではないが、1年間結果を出すことが求められる。切り替えて頑張りたい」と語った。

ファン驚かせる投球を

令和の怪物にとっては最年少完全試合も通過点にすぎないのだろう。これからも鍛錬を積み重ね、ファンを驚かせるような投球を披露してほしい。