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社説
【社説】日豪閣僚協議 日米同盟補強する対中抑制力
2024年9月12日
オーストラリアで日豪外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)が開かれ、中国の「力による現状変更」に強い反対を表明し、共同抑止力の強化、安全保障政策の緊密化などを盛り込んだ共同声明を発表した。日米同盟に加え太平洋の域内大国である豪州との連携を強化し、太平洋地域の民主主義を守り、共産党独裁体制の中国の影響力を抑制していくべきだ。
【社説】アフガン撤退3年 テロ防止も重要な政策課題
2024年9月11日
米軍のアフガニスタン撤退から3年が経過した。撤退完了の直前に首都カブールの国際空港近くで大規模な自爆テロが発生し、米軍兵士13人を含む100人以上が死亡した。
【社説】立民代表選告示 現実的で責任ある議論を
2024年9月10日
立憲民主党の代表選が告示された。野田佳彦元首相、枝野幸男前代表、泉健太代表、吉田晴美衆院議員の4人が立候補し、23日の投開票まで論戦を繰り広げる。
【社説】日韓首脳会談 揺るぎなき関係改善は道半ば
2024年9月9日
岸田文雄首相が訪韓し、韓国の尹錫悦大統領と首脳会談を行った。今月の自民党総裁選後に退任する首相にとって関係改善の流れをより確かなものにし、次期首相にバトンタッチする「最後の実績作り」という意味もあっただろう。だが、安心はできない。韓国側には歴史認識問題を巡る尹氏の方針に不満や批判がくすぶり、関係改善を手放しに喜ぶムードが広がっているとは言い切れない。
【社説】北極政策 西側諸国は関与強化を急げ
2024年9月7日
気候変動の影響で海氷融解が進む北極圏で、中国とロシアが連携を深めている。中露両国の影響力が拡大すれば、西側諸国にとって大きな脅威となる。日米両国などは北極圏への関与強化を急ぐ必要がある。
【社説】プーチン氏不逮捕 法の支配を強化する外交を
2024年9月6日
ロシアのプーチン大統領がモンゴルを訪問した。1939年に旧日本軍と旧ソ連軍が戦ったノモンハン事件(モンゴルではハルハ河戦争)の85周年記念式典に合わせ、プーチン氏を招聘(しょうへい)したことによる。国際刑事裁判所(ICC=赤根智子所長、加盟124カ国)が逮捕状を発布している「戦争犯罪」の容疑者プーチン氏に、モンゴルは加盟国の逮捕義務を国内で果たすことができなかった。安全な国際秩序づくりに向け、より実効性のある法の支配の国際的な枠組みを整備しなければならない。
【社説】PIF首脳声明 「台湾」削除を訂正し元に戻せ
2024年9月5日
島嶼(とうしょ)国など18カ国・地域から成る太平洋の地域機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」が中国の圧力に屈し、首脳会議で採択した首脳声明から台湾との交流を再確認した部分を削除して更新版を公表した。オブザーバー参加国でありながら自国の国益を押し付けてPIFの自律性を歪(ゆが)める中国の影響力の浸透が懸念される。
【社説】防衛費概算要求 勤務体制改革にも予算投入を
2024年9月4日
防衛省は2025年度予算の概算要求を決定した。防衛力の抜本的強化を掲げた整備計画の3年目に当たる来年度の要求額は、過去最大の8兆5389億円が計上された。防衛力の強化に当たっては、22年に改定された「国家防衛戦略」及び「防衛力整備計画」において、宇宙・サイバーなど領域横断作戦能力や、機動展開能力・国民保護など重視すべき七つの分野が示されたが、今回の要求もそれに沿った内容となっている。
【社説】大谷選手新記録 進化続ける異次元の存在
2024年9月3日
米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が、またもや野球ファンを驚かせる快挙を成し遂げた。メジャー史上初のシーズン「43本塁打、43盗塁」の達成だ。パワーとスピードを兼ね備えた大谷選手だからこそ樹立できた記録だと言える。
【社説】辺野古移設 地盤改良を着実に進めよ
2024年9月2日
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、防衛省沖縄防衛局が軟弱地盤のある大浦湾側の区域で護岸造成に着手した。辺野古移設は普天間飛行場の危険性除去と抑止力維持のための唯一の選択肢だ。着実に地盤改良を進める必要がある。
【社説】防災の日を前に 総合的な列島強靭化進めよ
2024年8月31日
あすは防災の日。関東大震災から101年となる。元日の能登半島地震、8月の日向灘を震源とした地震、それを受けての初の「南海トラフ地震臨時情報」発表と日本は地震国の課題に直面。豪雨の被害も増している。災害に強い国づくりをさらに進めるべきだ。
【社説】パラリンピック 世界に平和のメッセージを
2024年8月30日
「広く開かれた大会」をスローガンにパリ・パラリンピックが開幕した。ウクライナやパレスチナ自治区ガザでの戦闘が続く中での開催となったが、その平和の祭典としての意義は五輪に劣らない。大会の成功を祈りたい。
【社説】中国機領空侵犯 尖閣に次ぐ主権侵害を許すな
2024年8月29日
中国軍のY9情報収集機1機が長崎県男女群島沖上空のわが国の領空を侵犯した。国際法上、排他的主権を持つ領空へ外国の軍用機が不法侵入することは、攻撃的意図を疑わなければならない事態であり、一触即発の紛争さえ招きかねない。厳重に抗議するだけでなく、領空まで接近させない防空パトロールを励行すべきだ。
【社説】アフリカ会議 安定と繁栄もたらす支援を
2024年8月28日
日本とアフリカ諸国によるアフリカ開発会議(TICAD)閣僚会合が開かれ、2025年8月に横浜市で開く第9回首脳会合(TICAD9)への連携を強化するため、閣僚会合で初となる共同文書を採択した。
【社説】中国が邦人起訴 異様な人権無視と秘密主義
2024年8月27日
大手製薬会社アステラス製薬現地法人の日本人元幹部社員が中国の検察に起訴された。50代の元幹部社員は中国でスパイ行為に関わったとして国家安全当局に逮捕され、1年5カ月間拘束状態にあった。日本政府は早期解放を働き掛けてきたが、拘束は長期化するもようだ。
【社説】ハリス副大統領 自身の政策を明確に伝えよ
2024年8月26日
米民主党全国大会がシカゴで開催され、大統領選の民主党候補であるハリス副大統領が指名受諾演説を行った。ハリス氏は共和党候補のトランプ前大統領を厳しく批判したが、かつて賛同した急進左派的な政策を現在も支持しているかどうかははっきりしていない。まずは、自身の政策を明確に伝えるべきだ。
【社説】処理水放出1年 中国「禁輸」撤廃に全力を
2024年8月24日
東京電力福島第1原発で処理水の海洋放出が始まって1年がたった。放出を機に風評による買い控えなどが起きることへ懸念の声が上がっていたが、日本国内では「食べて応援」する動きも広がるなど目立った反発は見られなかった。
【社説】日印2プラス2 インドを西側に繋ぎ留めよ
2024年8月23日
日本とインドの外務・防衛閣僚会合(2プラス2)が開かれた。宇宙・サイバー分野での連携や共同訓練の拡大など安全保障分野の関係を強化することを確認し、艦艇搭載用の通信アンテナの日本からインドへの輸出も協議した。また、2008年に署名した「安全保障協力に関する共同宣言」を改定する方針で一致した。
【社説】ロシア領制圧 ウクライナと相互撤退実現を
2024年8月22日
ウクライナ軍がロシア西部クルスク州に越境攻撃を行い、約100の集落を制圧した。ロシアのウクライナへの軍事侵攻後、初めてウクライナがロシア領内に軍を進めたことにより、紛争地域が拡大していく恐れがある。両国は交渉のテーブルに着き、互いの領内に侵攻した軍を撤退させるべきである。
【社説】中間貯蔵施設 原発の安定稼働に欠かせない
2024年8月21日
青森県とむつ市が、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の事業開始に必要な安全協定を施設の運営事業者と締結した。全国の原発では保管する使用済み燃料が貯蔵容量の8割に上っており、再利用に向けて「核燃料サイクル」確立への道筋をつける必要がある。
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