アントネッロ「天正遣欧使節の音楽」 西洋音楽と古謡の奇跡的出会い
評論家 三浦小太郎

1582年、4人の少年使節が日本を旅立った。一行が目指したのはローマ。法王グレゴリウス13世への謁見(えっけん)が目的だった。天正遣欧使節として有名なこの少年団の時代に、日本で、またヨーロッパで演奏されていた音楽を生き生きと蘇(よみがえ)らせた素晴らしいCDがある。アントネッロ演奏「天正遣欧使節の音楽」(発売元:ANTHONELLO MODE、2007年発売)だ。アントネッロは東京都出身の濱田芳通氏を中心とした、中世、ルネッサンス時代の音楽を演奏する楽団である。【...全文を読む】