
「親の『代理婚活』盛況 子どもの結婚相手探し、親同士が近道?」(日経電子版7月7日公開)――こんな見出しの記事が目に付いた。
記事によると、これは子供の結婚相手を見つけたい親たちがわが子の情報を持ち寄る交流イベントだとか。親同士が子の写真を交換し、気に入れば本人たちを会わせる。おせっかいな仲人のおばさんこそいないかもしれないが、まるで昭和初期ごろまでのお見合いのようではないか。
こうしたイベントが出てくるのも無理はない。国立社会保障・人口問題研究所の発表資料によれば、50歳の未婚割合は2020年時点で男性28.25%、女性17.81%。1990年の男性5.57%、女性4.33%と比べると、30年で男女共に4倍以上に増えている。
いくらメディアで「多様な生き方」がもてはやされようとも、やはりわが子には結婚して、人並みに幸せな家庭を築いてほしいと願うのが親心である。
一方、明治安田生命が毎年行っている夫婦をテーマとしたアンケート調査(2025年11月発表)では、1年以内に結婚した夫婦の出会いのきっかけとして「マッチングアプリ」が30.4%と過去最高、3年連続トップという結果が出た。4人に1人は「アプリ婚」をしているのだ。
もしタイムスリップして、10年、20年、30年前の日本人にこの結果を伝えたら、きっと信じてもらえないだろう。
一昔前まで、結婚といえば恋愛結婚が当たり前だった。お見合いなんて、何だか古臭い響きだし「知らない人と結婚するなんて」と言われても反論しづらかった。今アプリ婚活に励んでいる20~40代くらいの人たちも、子供の頃には自然に良い人と出会って恋をして、結婚する将来を夢見ていた世代のはずだ。
こうして考えると「結婚は好きになった人とするもの」という恋愛至上主義から、男女が結婚を前提に出会う前時代的な価値観に社会の主流が変わってきたのが興味深い。行政でも男女の出会いの場を設け、お見合いをあっせんするような取り組みが珍しくない。
裏を返せば、わざわざ「婚活」という活動をしなければ結婚できない現代人が多くなったとも言える。もっとも、職場の同僚を食事に誘えば「ハラスメント」扱いされかねない風潮の現代、当然の流れなのかもしれない。
家庭は本来、精神の安定や安らぎを得る場所である。情熱的な恋愛を経ていなくても、結婚という同じ目的を持って出会い、互いに話し合って価値観を擦り合わせながら家庭を築いていく夫婦は案外安定するのだろう。愛は育むものなのだ。
今後注目していきたいのが離婚率と出生率。かつてお見合い結婚が主流だった日本は恋愛結婚が主流の時代よりも離婚率が低く、出生率が高かった。結婚して子を持つことを望む男女の出会いの選択肢が増えた以上、少子化対策につながっていくことを祈りたい。







