
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、再使用ロケットの着陸実験に成功した。能代ロケット実験場で11日、小型実験機「RV―X」が飛行試験を行ったもので、高度約11メートルまで上昇した後、垂直姿勢を維持したまま水平に移動し、その後ゆっくりと降下して着陸。飛行時間は約40秒で、着陸後の機体に大きな異常はないという。
RV―Xは将来の大型ロケット再使用化に向けた小型実験機で、全長約7.3メートル、直径1.8メートルで燃料は液体水素。
これまで使い捨てだったロケットを再使用することで、将来の低コスト宇宙輸送の実現を目指すものだ。
ロケットの再使用では米スペースXが世界を大きくリード。既に「ファルコン9」で実用化し、低コストを武器に衛星打ち上げ市場で圧倒的な力を見せつけている。日本はこの分野では緒に就いたばかりだが、宇宙輸送で新たなステージに入りつつあることは確かだ。
ここで得られたデータは、飛行実験の第2段階として、JAXAがフランス、ドイツの宇宙機関と共同で開発・実験を進めている「CALLISTO」(カリスト、1段再使用飛行実験機)の飛行計画や運用計画に反映される。
CALLISTOは、全長約13.5メートル、直径1.1メートル、質量約3.6トンとRV―Xより細長い形の機体。日本は主にエンジンおよび推進系、後部胴体構造などを担当。フランスの南米ギアナ宇宙センターで打ち上げる計画だ。
低空の飛行試験だけでなく、大気上層・超音速域まで飛行範囲を広げた高高度の飛行試験と合わせ計10回実施する予定で、カギとなる技術の実証や再使用による経済性まで含めたデータを取得する。この分野でのスペースXの独壇場はしばらく続くが、日本の進展を心待ちにしたい。
宇宙開発に関する話題をもう一つ。小惑星探査機によるサンプルリターンは日本のお家芸となったが、その立役者の〝一人〟「はやぶさ2」が、地球から約1億キロ離れた小惑星「トリフネ」の至近距離を秒速5キロの高速で飛行しながらフライバイ(通過観測)に成功した。
最接近の2時間前から、はやぶさ2がカメラの画像などから自律的に軌道を調整し、見事に衝突を避けながら至近距離を通過した。
小惑星「りゅうぐう」で砂などの試料を採取し、それを収めたカプセルを地球に送り届けたはやぶさ2の、今回のトリフネ通過は、本来の使命を果たした後の拡張ミッションの一つ。
しかし、この小惑星表面から数百メートルを正確に通過させる高精度の制御技術の実証は、衝突の恐れのある小惑星から地球を守る(探査機を衝突させて小惑星の軌道を変える)「プラネタリー・ディフェンス」にも役立つと期待されている。
またサンプルリターンでは、火星の衛星「フォボス」に着陸し、採取した試料を地球に届けるという火星衛星探査計画(MMX)探査機の打ち上げが今年度中に予定されている。
巨大衝突説か捕獲説か、火星の衛星の起源を解明するとともに、地球と火星圏の往復、フォボスへの着陸といったこれまでにないミッションの成否にも興味は尽きない。






