支持率低迷の立民、護憲派依存の体質刷新を

《 記 者 の 視 点 》

 立憲民主党が泉健太代表の新体制になってからも支持率低迷にあえいでいる。

立憲民主党代表選の共同記者会見に臨む、(左から)西村智奈美、小川淳也、泉健太、逢坂誠二の4候補者=19日午後、東京・永田町.jpg

時事通信の調査(1月7~10日実施)で立民は前月比1・0ポイント減の4・0%で、同0・6ポイント減で4・3%の日本維新の会より低い。自民党は25・6%(同0・8ポイント減)で、とても野党第1党と言えない支持率だ。維新の後塵(こうじん)を拝するのはNHK(8~11日)や読売新聞(14~16日、先月も)の調査も同じだが、読売の場合、夏の参院選の投票先で維新14%、立民9%と大差がついている。

昨年12月の産経新聞の調査で立民支持者の年齢分布を見ると、70代51・1%、60代16・6%で、50代以下は32・3%にすぎない。また、朝日新聞の12月調査では、自民と立民の全体の支持率は36%と8%だが、60代では31%と11%なのに18~29歳では34%と1%と、衝撃的な差がついている。現役世代、特に若年層に支持が広がらず、支持層の高齢化が著しいのだ。

多くの理由があるだろうが、まず、代表選で清新さを示せなかったことが大きい。特に、共産党の「限定的な閣外からの協力」を仰ぐまでになった党の立ち位置をどう刷新するかが大きな焦点だったが、4人の候補がすべて曖昧な発言に終始し、その4人で執行部を固めてしまった。

何の清新さも刷新意欲も感じられず、枝野幸男氏辞任の意味がなくなった。また、反主流を貫く人間がいないので泉代表がコケたら皆コケてしまう体制になった。河野太郎、菅義偉、石破茂、小泉進次郎の各氏が党4役や閣僚から外れて、次を目指して“雑巾掛け”している自民と対照的だ。

第二に、政策的にも刷新意欲が感じられない。昨年末の臨時国会で、参院予算委員会開催中に衆院憲法審査会の開催に応じたことは一歩前進だった。そこで、憲法論議に従来とは違う姿勢を示せば、「これは少し違うぞ」という印象を与えることもできたはずだ。だが実際は「恐れず議論する論憲の立場」を表明はしたが、「改正を前提として議論するのは強く反対」「白紙から議論していくべき」だとして、改憲の意欲も準備もないことを露呈した。

平成19(2007)年8月に設置された憲法審査会は、「憲法改正原案、…改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査する機関」だ。14年以上もたった審査会で「白紙からの論憲」しか語れないのは、この間の職務怠慢を自白するようなものだ。

なぜ、こんな怠慢が放置されたのか。旧民主党結党(1996年)時から党の一角を占める旧社会党などの左派系の議員や事務方の影響力が根強く、党として改憲の方向性を打ち出せなかった。また、自民党の改憲の動きに反対さえしておけば支持を得られる分厚い護憲派の勢力を有力な支持基盤としていたためだ。

しかし、頼みの護憲派は老齢化し、安保情勢や社会環境の激変によって、憲法を客観的に見られる世代が大勢を占めつつあるのに、旧態依然の対応に終始してきた。そのツケが回ってきたと言える。党内すら刷新できないようでは厳しい国際情勢の中で日本を主導する役割は望めない。それは日本にとって不幸だ。
政治部長 武田 滋樹

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