トップオピニオンメディアウォッチ【SNS】本田由紀氏の皇族差別ポストに口頭注意の東大はダブスタと大炎上

【SNS】本田由紀氏の皇族差別ポストに口頭注意の東大はダブスタと大炎上

文科相「適切対応を」

 「他者の尊厳毀(き)損(そん)」「ブーメラン発言」「ダブルスタンダード」(二重基準、ダブスタ)は、言論戦では自らの首を絞めてしまう。尊厳毀損は言葉の通りだ。後の二つは他者を批判した言葉が自分に跳ね返ってくることと、過去と現在に矛盾がある場合、そこを批判されると反論できなくなることを意味する。今、これらで苦しむのは東京大大学院教授の本田由紀(教育社会学)と東大だ。

東大赤門(東京・文京区本郷)/時事
東大赤門(東京・文京区本郷)/時事

 本田は1カ月前に行ったX(旧ツイッター)への皇族差別ポストが炎上し渦中の人となっていた。そろそろ収まるかと思われた9月下旬、彼女の処分を巡り、騒動が東大に飛び火した。

 9月25日の文部科学相記者会見。本田の差別ポストに関し記者から質問を受けた新文科相の関芳弘は「東京大学は過去の処分事例もしっかりと踏まえ、適切な対応に取り組んでいただきたい」と述べた。ご存じの読者が多いと思うが、経緯を説明しよう。

「解説」で火に油注ぐ

 本田は他人のポストに関連投稿する形で9月1日、次の内容をポストした。「この人たちを目にするたびに、遺伝的要因のおそろしさを感じる。露出の増加が逆効果になるかもしれない」。その前日に行われた元の投稿には「三笠宮彬子の皇族費倍増2135万円 皇室典範改正でちゃっかり男性皇族と同額に」という書き込みと共に女性皇族の写真が添えられていた。

 これに対しSNSで激しい反発が起きた。「優生思想の差別主義者が東大教授とは世も末だな」と大炎上。共産党支持者である本田は日本教育学会の会長を務め、朝日新聞デジタル版コメンテーターでもある。そんな〝大先生〟が「遺伝的要因」という言葉を使って皇族の尊厳を毀損したのだから、ユーザーの怒りが爆発したのは当然である。

 だが、本田は5日、長々と「解説」文書をアップし火に油を注いでしまった。「この投稿は、強大な権力や財力を背景に、自身の係累を優遇しようとする麻生太郎氏への批判としてなされたもの」で、それを「差別」「誹謗中傷」とするのは「遺伝的要因」を「曲解」したものだ、と屁理屈を述べ謝罪しなかった。

 日頃、政治家や有識者の差別発言を厳しく批判する朝日は本田の差別投稿を無視するわけにもいかない。彼女の解説を伝える記事掲載でお茶を濁した。取材は拒否されたという。

 ところが、本田は過去に次のような投稿を行っていた。「取材拒否に何の正当性もない。こんな人間が『教育』に巣食っている」「間違った時に間違いを認めて謝罪しない、というのは、もっとも基本的な姿勢として誤っており、徹底的な糾弾が必要」。自ら放ったブーメランが跳ね返り教育に巣食っていると糾弾されているのに等しい状況に陥ったのだ。

「中国人差別」は解雇

 今、問題となっているのは東大のダブスタだ。本田に対しては口頭注意したが、それでは甘過ぎるというのだ。本田批判は当然にしても、学者が自分の発言で職を奪われるのは「キャンセルカルチャー」だから、懲戒解雇や学会からの排除はすべきでない、という意見が有識者の間から出ている。

 これには一理あるが、東大には〝前科〟があるからSNSユーザーは納得しない。2020年、東大は「中国人は採用しません」と投稿した特任准教授を懲戒解雇した。それなのに本田への口頭注意はダブスタだというのだ。だから、学問の自由を守るのがアカデミアだ、と東大は胸を張れない。

 冒頭の文科相発言「過去の処分事例もしっかりと踏まえ……」は、記者の「東大の対応はダブスタではないか」との質問に対し行われたもので、背景には東大に対する国際卓越研究大学の審査がある。東北大や京都大、東京科学大は認定されたが、東大は不祥事が相次ぎ、継続審査中。ガバナンス体制が問われる中でのダブスタはマイナス材料だ。さあ、どうする東大。対応を問われるのは朝日も日本教育学会も同じである。(敬称略)

(森田清策)

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »