トップオピニオンメディアウォッチ【経済誌】物価上振れリスク抑える日銀利上げ後の金利、株価を予想する各誌

【経済誌】物価上振れリスク抑える日銀利上げ後の金利、株価を予想する各誌

長期金利が3%台に

 日銀は9月17、18日に開催された金融政策決定会合で、政策金利を0・25%引き上げ1・25%とすることを決定した。前回利上げを決めた6月からわずか3カ月という短期間での引き上げで、日銀の植田和男総裁は「物価情勢次第で、特定の方法を排除できない」と追加利上げに含みを持たせている。一方、政策金利引き上げの影響はすでに長期金利の上昇となって表れている。特に9月1日には新発10年物国債の利回りが3%に達し、30年ぶりの水準となった。今や金利上昇は一つのトレンドとなっているが、それが今後の経済にどう影響を与えていくのかがポイントになってくる。

日本銀行
日本銀行

 そうした中で経済誌は国内の金利上昇が株価や景気にどう影響するかに焦点を当てた企画を組んだ。一つは週刊エコノミストの「止まらない 円安、金利・物価高」(9月8日号)、「下期に勝つ株」(9月15日号)で、もう一つは週刊東洋経済の「乱気流相場で勝ち抜く株」(9月12日号)である。

株価は7万円以上か

 そもそも日銀が今回、政策金利を1・25%に引き上げた要因として、植田総裁は9月18日の記者会見で①国内の企業物価指数が前年比で高い伸びを示し、企業間取引における価格上昇が消費者段階にも影響を与え始めている②原油高などによって物価上昇がさらに広がりを見せることがあれば、物価安定目標の2%を超えて上振れしていくリスクが高まる――などを挙げ、想定される上振れリスクを抑えるため、早い段階で政策金利を上げたと説明する。

 こうした日銀の利上げに関して、エコノミスト(9月8日号)は利上げ決定以前の段階で「次回0・25%の利上げが行われれば政策金利は1・25%に達し、日銀が中立金利(景気を冷やしも刺激もしない金利水準)として示している1・1~2・5%程度のレンジに入る。(2%という)基調的な物価指標に近づいていることは、中立金利への引き上げと整合的であり、(今回の)追加利上げを進める一つの根拠となる」(星野卓也・第一ライフ資産運用経済研究所主席エコノミスト)と分析。今後の展開については「(日銀は)実際の物価や予想インフレ率、景気の反応を確認し、2%程度の物価上昇と整合的な金利水準を図る段階に入っていく。物価上昇率がさらに高まれば追加利上げが進むことになる」(同)と見通しを立てていた。

 金利が上昇すれば株や債券の価格は下落するというのは経済学のセオリーだが、今後の株価はどうなっていくのか。

 東洋経済は、東洋経済新報社が発行する「会社四季報」(秋号)を先取りする形で特集を組み「今仕込むべき銘柄を見つけ出そう」と、今後、株価が上昇しそうな企業を挙げる。それはさておき、日経平均株価の今後の動向に関しては「7月下旬に安値で6万0448円をつけたが、またその価格まで下がるとは考えにくい」「年末時点の日経平均をレンジで予想するならば、6万5000円から7万5000円」(鈴木英之・SBI証券投資情報部長)と予想。一方、エコノミストは「デフレ脱却とインフレの定着で、強い商品を持ち、シェアも高い企業は適正な価格設定を通じ、利益率を改善することが可能となった」「日本経済のファンダメンタルズ改善と企業改革の進展により、金利上昇と株高が共存する構造が定着している」「日経平均は年末にかけ、7万3000円の新高値を目指す展開になる」(広木隆・マネックス証券チーフ・ストラテジスト)と強気の見方を示す。

成長へ政治の安定を

 もっとも、経済が持続的に成長するには政治の安定が不可欠。「責任ある積極財政」の下、「日本成長戦略」として17の戦略分野を定めた「骨太の方針」を打ち出した高市早苗首相は9月17日、第2次改造内閣を発足させた。地政学的に不安定な時代であるからこそ、重要資源の安定的な供給体制の構築が急がれており、さらに他国からの侵略や侵入を受けない安全保障体制の確立が求められている。

(湯朝 肇)

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »