改正皇室典範が17日に成立した。皇族数の確保に向け、旧宮家の男系男子が養子として皇室に入り、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持することが可能になる。初代神武天皇以来の皇位の男系継承を維持する内容で成立は喜ばしい。

改正典範を巡っては、衆参両院正副議長が6月、今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れを「ゆるがせにしてはならない」と指摘した上で、政府有識者会議が2021年に報告した①女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する②旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える――の2案を基に法制化を進めるよう政府に求めた「立法府の総意」を取りまとめ、高市早苗首相に手交した。
ところが6月末に典範改正案が閣議決定されると、立憲民主党などの一部野党が猛反発。皇族の養子となる旧宮家の男系男子に男の子が生まれた場合、皇位継承資格を持つとの内容が盛り込まれたことに対し、立民の水岡俊一代表は「だまし討ち」と批判した。
反対派は「国民の理解を得られない」と強調するが、時事通信が7月10~13日に行った世論調査では、養子の子息が皇位継承資格を持つことについて「賛成」が39.5%、「反対」が26.9%だった。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)による11、12両日の合同世論調査に至っては、賛成が61.0%を占め、反対の29.9%を大きく上回った。
改正典範成立前ではあるが、自民党機関紙「自由民主」は7月14日号の1面で「皇族数の確保は喫緊の課題」との見出しで改正案が閣議決定されたことを伝えている。「『立法府の総意』踏まえて策定」「麻生副総裁『今国会で改正を』」などと報じた。
一方、日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」は17日付2面で「女性差別助長明らか」との見出しを掲げて改正案に反対。記事では、国会審議における小池晃書記局長の「女性・女系天皇を認めるべきという圧倒的な世論を無視して、3時間余りの質疑(参院)で採決することは許されない」という発言を紹介した。
小池氏は「主権の存する国民の総意」に基づくべき皇室制度を根本から変質させるとして、改正案の廃案を求めた。憲法第1条は「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」と定めている。国会議員は国民の代表であり、「立法府の総意」は「国民の総意」のはずだが、共産は「立法府の総意」にも反対した。女性・女系天皇に言及していないことが気に入らないのだろう。
「国民の総意」という言葉は共産党の綱領にも登場する。綱領は皇室制度について「党は、一人の個人が世襲で『国民統合』の象徴となるという現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく、国民主権の原則の首尾一貫した展開のためには、民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだとの立場に立つ。天皇の制度は憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきものである」としている。女系容認論の狙いは、男系天皇の血筋を絶やして皇室廃止の世論を醸成することにあるようだ。
朝日新聞の10日付社説「皇室典範改正の暴走 このままの成立は許されない」も「改正案が『国民の総意』を得たとは到底言えない。世論調査では女性天皇や女系天皇を容認する意見が多数を占める一方、旧宮家からの養子縁組については賛否が割れる」と、やはり「国民の総意」という言葉を使いつつ女系容認論を打ち出した。朝日は第2の「しんぶん赤旗」なのか。






