トップオピニオンメディアウォッチ【新聞】「立法府の総意」掲げて皇室典範改正案に反対するオールドメディア

【新聞】「立法府の総意」掲げて皇室典範改正案に反対するオールドメディア

皇族の養子縁組可能に

 かつて「熟議」という名の「決められない政治」があった。何か事を前に進めようとすると「熟議」を持ち出し、足を引っ張る。オールドメディアが盛んに「熟議」を唱えたが、皇室典範改正を巡っては「総意」にその役を担わせているようだ。

 国会が6月に皇族数の確保に向けた「立法府の総意」を決め、それを受けて政府は皇室典範改正案を国会に提出した。するとオールドメディアは「総意」を掲げて改正案反対の大合唱を繰り広げている。やれ「『国民の総意』とかけ離れた皇室典範改正案」(朝日1日付・倉重奈苗政治部長)とか、やれ「『総意』逸脱する男系固執」(毎日1日付社説)とか、「総意」を逆手にとって改正案を批判し、読売に至っては「『旧宮家』へ皇統が移る恐れも」「女性・女系を排さず議論し直せ」(1日付社説)と、お得意のちゃぶ台返しで「女性・女系」へと話を飛躍させている。

 いったい「立法府の総意」は何だったのか、首を傾げてしまった。「総意」は、第1に「今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」こと、第2に政府の有識者会議が2021年に示した「内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持する」案は皇室の歴史や公的活動の継続性を考慮し制度設計すること、第3に同様の「皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とする」案は旧11宮家の皇族男子の子孫である男系の男子を対象に皇族の養子縁組を可能とすることとしている。

女系容認論こそ逸脱

 政府の皇室典範改正案はこの「総意」に沿った制度設計をしており、逸脱しているとは到底思われない。ところが、立憲民主党の水岡俊一代表は養子の子息が皇位継承資格を有する内容について「だまし討ち」と反発し、前記の社説も同様に難癖をつけている。これには産経1日付主張が「政府有識者会議での議論や政府報告書、国会の全体会議がまとめた『立法府の総意』に、論理的に文章を読み解く力を持つ人が接すれば容易に分かる話である」と突き放している。全く同感だ。

 「総意」は「養子となって皇族となられた方は皇位継承資格を持たない」とするだけで、その子(男子)に資格を与えないとは一言も言っていない。今回の改正論議は「皇族数確保の具体的方策について」のもので、とりわけ皇位継承者の少なさへの危機感が背景にあるから、養子の子に継承資格を与えると読み解くのはごく普通の解釈だ。

 オールドメディアは産経を除いて「次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」を無視し、女性・女系天皇容認論を持ち出しているのだ。これこそ「総意」からの逸脱に他ならない。「総意」に賛成したのは全13党派のうち7党派で、これをもって「総意に程遠い」と騒ぎ立てるのも理解し難い。賛成した7党派の議席は衆参全体の約9割を占めており、反対したのは天皇制廃止論を隠し持つ共産党など少数党派にすぎない。

読売は立民の応援団

 それだけに読売の“暴走”は目に余る。皇室典範改正案に異議を唱える立民のまるで応援団だ。3日付「基礎からわかる皇室典範改正案」は養子案について「象徴天皇制 根幹揺るがす」「『例外』の傍系 取って代わる恐れ」といった、おどろおどろしい見出しを並べ立てて批判し、4日付「皇室典範改正 6月世論調査」では「『養子』賛成 半数下回る」と養子案支持者があたかも少数派のように書き立てている。

 だが、読売世論調査では養子案賛成は46%で半数に至らないものの、反対の36%を10ポイントも上回っている。とりわけ18~39歳は賛成59%、反対25%で賛成派が圧倒している。読売の養子案批判は左寄りの「オールド」のあがきだ。とまれ、総意を根拠とする改正案反対は虚偽の類いと言うほかない。

(増 記代司)

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »