
自民党機関紙「自由民主」6月23日号は5面で「領海と排他的経済水域のさらなる保全を」との見出しで有人国境離島法(有人離島保全特別措置法)の改正案について報じている。
同法は超党派の議員立法で、国境に近い有人離島への支援強化を目的としたもの。国が土地の買い取りや行政機関の設置、港湾整備などに努めるよう定めている。継続的に居住可能な環境整備が必要とされる地域を「特定有人国境離島地域」とし、島根県の隠岐諸島や長崎県の対馬など8都道県の計71島を指定した。
2017年4月に施行されたが、有効期間は10年で、期限が近づいている。「自由民主」は「有人国境離島地域が現在抱える課題を乗り越え、わが国の領海と排他(はいた)的経済水域等の保全に寄与するという役割を安定的かつ継続的に果たす必要性から、法の改正を目指します」としている。
課題とは人口減少や高齢化、そして悪化する安全保障環境だ。同法が制定された背景には、中国の海洋進出や外国資本による離島の土地買収などがあった。しかし施行後も、状況は厳しさを増している。
改正案では、特定有人国境離島地域に東京都の新島・式根島(新島村)など4都道県6島を追加した。6島は本土との距離が比較的近いが、近年は人口減少が著しい。
また人的往来の拡大に向け、新たな施策として「滞在型観光の促進」を明記した。離島には独自の文化や風習のほか、壮大な原風景や豊かな食文化が残されている。こうした観光資源をどのように活用するかが課題だ。
中国は日本近海で覇権主義的な行動を強めている。中国が一方的に領有権を主張する尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺では、中国海警船が領海侵入を繰り返している。沖ノ鳥島(東京都小笠原村)については、排他的経済水域(EEZ)を有しない「岩」と主張し、日本の海洋権益を認めようとしない。
特定有人国境離島地域は領海警備や海洋調査の拠点として重要な役割を果たしている。だが地域社会の衰退によって無人化すれば、中国の脅威は一層高まるだろう。
改正法が施行されれば、有効期限は10年間延長される。自民は今国会での成立を目指すとしている。有人国境離島への支援強化が急がれる。






