トップオピニオンメディアウォッチ大型連休の「戦略外交」 「国益最大化」と「自由民主」

大型連休の「戦略外交」 「国益最大化」と「自由民主」

ベトナムのトー・ラム共産党書記長兼国家主席(右)と握手する高市早苗首相=2日、ハノイ(EPA時事)
ベトナムのトー・ラム共産党書記長兼国家主席(右)と握手する高市早苗首相=2日、ハノイ(EPA時事)

 今年の大型連休の期間にも、高市早苗首相(自民党総裁)や閣僚、党幹部らの外遊が行われた。ホルムズ海峡の封鎖に伴う原油高騰や中国のレアアース(希土類)輸出規制などを受け、外遊では資源の安定供給や経済安全保障が重要テーマとなった。

 自民党機関紙「自由民主」5月26日号は1面で「チームワークで国益を最大化 政府与党が『戦略的外交』を展開」と報じた。記事では「複雑化する安全保障環境の中で、わが国の経済成長に欠かせない資源・エネルギーを確保するため、東南アジア諸国をはじめ、欧州、アフリカ、中央アジア、中東等各国を主要な党役員・閣僚が歴訪。(中略)世界の中で日本の『不可欠性』を高める外交を展開しました」としている。

 特に注目を集めたのは、高市首相がベトナムで行った演説だ。演説では、10年前に安倍晋三元首相が提唱した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の進化に向け、安全保障に加えサプライチェーン(供給網)強化と経済秩序維持に向けたルール共有の3本柱で協力を深めると表明した。

 経済的、軍事的威圧を強める中国への対抗が念頭にある。中国は高市首相の台湾有事発言に反発し、レアアースを含む軍民両用品の輸出規制に踏み切った。首相は特定国に対する重要物資の依存を避けるため、公平な競争条件の確保や「市場歪曲(わいきょく)的慣行、経済的威圧への対応」を呼び掛けた。

 また安全保障面では、シーレーン(海上交通路)における自由な航行確保の重要性を強調。「政府安全保障能力強化支援(OSA)」の対象国や事業規模を拡大するほか、港湾・空港の整備、海上保安能力強化への支援を拡充すると明らかにした。

 「自由民主」はFOIPについて「海洋国家であるわが国にとって航行の自由や法の支配といった国際社会の普遍(ふへん)的な価値を守ることが重要で(中略)インド太平洋が自由で活力ある地域であり続けることが、わが国にとって最大の国益となります」と強調している。

 日本の外交は日米同盟を基軸としつつ、韓国、インド、オーストラリア、フィリピンなどとの関係強化が求められる。この中で「準同盟国」と位置付ける豪州とは、豪海軍フリゲート艦新造計画で海上自衛隊護衛艦「もがみ」改良型が選定されるなど防衛協力を強化してきた。地域の同志国との連携を一層深める必要がある。

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