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憲法記念日と各機関紙 「赤旗」の首相批判は的外れ

「第28回公開憲法フォーラム」に寄せられた高市早苗首相のビデオメッセージ=3日午後、東京都千代田区
「第28回公開憲法フォーラム」に寄せられた高市早苗首相のビデオメッセージ=3日午後、東京都千代田区

 5月3日は憲法記念日。1947年5月3日に日本国憲法が施行されてから今年で79年となった。この間、国内外の情勢は大きく変化したが、憲法は一度も改正されていない。一日も早く時代に即した条文とすべきだ。

 憲法改正を党是とする自民党の機関紙「自由民主」5月19日号は1面で、3日に民間憲法臨調などが開いた「公開憲法フォーラム」に高市早苗首相(党総裁)が寄せたビデオメッセージを紹介。「憲法は国の礎(いしずえ)であり、根幹であるからこそ、その価値を摩滅(まめつ)させないために、時代の要請に合わせて本来定期的な革新が図られるべきだ」との発言を取り上げた。

 自民は2月の衆院選で改憲発議に必要な3分の2以上の議席を確保し、連立を組む日本維新の会と共に緊急事態条項を創設する条文案を今年度中に国会に提出することを目指している。高市氏は4月の党大会で、来年の党大会を改憲発議のめどが立った状況で迎えたいと宣言した。改憲がこれまでにないほど現実味を帯びていると言えよう。

 一方、護憲を掲げる日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の3日付「主張」は米国とイスラエルによるイラン攻撃、ロシアによるウクライナ侵略、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃などの武力行使を取り上げ、田村智子委員長の「憲法9条は国際紛争を武力で解決することを禁じ、拒否しています。9条を持つ国がいまやるべきことは戦争を終わらせるための外交交渉ではないのか。憲法9条を変えるのでなく、生かした外交を求めていこう」という訴えを紹介している。

 戦力不保持と交戦権否認を定めた9条は、憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という文言を条文化したものだと言える。平和が実現するか否かは他国次第ということであり、「9条を生かした外交」とは他国の善意に期待する外交にほかならない。これで厳しい国際情勢に対応できるとは思えない。

 また、17日付「主張」は「高市早苗首相は産経新聞のインタビュー(5月3日付)で、参院選『合区』の解消と緊急事態への対応のための改憲が急がれると明言、改憲発議へさらに踏み込んだ発言をしました」と指摘。その上で、再来年に参院選があるので合区解消を急がなければならないとする首相について「憲法尊重擁護義務を負う現職首相が改憲項目の優先順位を口にし、時間枠まで設けて、改憲の旗振りをするのは前代未聞の事態で許されません」と批判している。

 憲法尊重擁護義務とは「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」という99条の規定を指す。ただ首相が具体的な項目を挙げて改憲を主張することについては、安倍政権時代の2017年6月1日に開かれた衆院憲法審査会の参考人質疑で、宍戸常寿東大大学院教授が「義務に反しない」と述べ、小山剛慶大教授も「憲法上の問題はない」との見解を示している。99条を盾に改憲に反対する「主張」の首相批判は的外れだと言わざるを得ない。

 公明党機関紙「公明新聞」は3日付2面に「憲法記念日アピール」を掲載。「もとより憲法は不磨(ふま)の大典(たいてん)ではありません」として「憲法施行時に想定されなかった新しい理念や、憲法改正でしか解決できない課題が明らかになれば、必要な規定を付け加える『加憲』が検討されるべきだと主張してきました」と述べている。ただ公明はこれまで、改憲への消極姿勢をたびたび指摘されてきた。「加憲」への本気度が問われよう。

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