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独自技術や地域密着で日本経済を支える中堅企業を特集した東洋経済

オフィスで働くビジネスパーソンたち
オフィスで働くビジネスパーソンたち

世界シェア握る実力

 かつて米国に次いで国内総生産(GDP)世界2位の立場にいた日本。現在はドイツにも抜かれて4位に甘んじているが、世界中で経済大国としての役割を果たさざるを得ない状況に置かれていることは間違いない。

 そうした日本経済を根底で支えているのが300万社を超える中小・中堅企業だといわれている。地域に存在する小売店や工務店などは、もはや地域のインフラの一部であり、地元の雇用の受け皿となっている。そういう意味で中小・中堅企業は地域経済を支えているといっても過言ではない。

 そうした中で、東洋経済(5月2日、9日合併号)は中小・中堅企業、特に中堅企業に焦点を当て「すごい中堅企業100」と題して特集を組んだ。一昨年11月に続いて1年半ぶり2度目の企画だ。特集では、わが国の中堅企業100社を列挙するが、その中でも北は北海道から南は沖縄まで厳選して15社の企業を紹介する。

 同号で紹介されている企業を見ると、すでに名前が知られている企業が多いが、幾つかの特徴を見ることができる。一つは独自の技術を持ち、その分野では世界シェアを握るほどの実力を持つ企業だ。

 例えば、大阪府に拠点を持ち、巨大なテント構造物ではリーディングカンパニーとして世界を牽引(けんいん)する未上場企業の太陽工業。設立は1947年で、従業員は642人。2024年の売上高は661億円を計上する。

 昨年の大阪万博ではアメリカ館の巨大テント屋根の建築を受注した。同社は現在、世界7大陸で事業を展開。特に、宇宙分野に事業の可能性を広げる。すでに宇宙航空研究開発機構(JAXA)や国内の大学などと連携を取って研究開発を進めているという。

ニッチ分野で存在感

 世界シェアという視点からユニークな企業が、滋賀県長浜市に拠点を持つ湖北工業。長距離海底ケーブルの中継器内で光を一方向に整え、逆方向の光を遮断させる役割を持つ光アイソレーターの生産に特化し世界シェア50%超を握る。

 さらに、もう一つの主力製品がリード端子。あらゆる電子機器に使われるアルミ電解コンデンサーの足部分として電子基板と接続させる針状の小さな部品。これまた数量ベースで世界シェア4割以上を占めるという。同社の従業員数は160人、売上高は25年度で174億円だが、ニッチな分野で世界に存在感を示している。

 この他にも、同号では半導体ウエハー研磨材で世界シェア9割を握るフジミインコーポレーテッド(愛知県清須市)や、空気制御で世界の環境産業を支える西部技研(福岡県古賀市)など、独自の技術で業績を上げる中堅企業が名を連ねている。

どの町にも必ず存在

 一方、こうした世界を相手に事業を展開する中堅企業に対して、特集では徹底的に地域に密着して業績を上げる企業も紹介する。北海道を拠点にコンビニ事業を展開するセコマがそれ。セブンイレブンやローソンなど大手のコンビニ企業がひしめく道内にあってセブンイレブンを上回る1097店の店舗数を誇る。1971年創業で従業員は128人。2024年の売上高は112億円。

 同社の特徴は徹底した自主開発商品(PB)、ホットシェフと呼ばれる店内調理、さらに独自の物流網の展開といったところ。だが、何より道民に受け入れられているのが、「どの町にも必ず存在するコンビニ店」ということだ。わずか数百戸足らずの村落にもセコマの店舗がある。利益に固執せず、社会インフラとしての役割を担い続ける企業ポリシーが好感を呼んでいるのだ。

 中堅企業は地域に根差し、世界を相手に事業を展開して日本経済を支える存在。それだけに企業を取り巻く人材育成、投資環境の整備はこれまで以上に不可欠な要素となってくる。

(湯朝 肇)

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