トップオピニオンメディアウォッチまたぞろ女性・女系天皇容認論を張り「左翼の尖兵」と化した読売

またぞろ女性・女系天皇容認論を張り「左翼の尖兵」と化した読売

読売新聞社
読売新聞社

万世一系の伝統否定

 読売は昨年5月、「皇統の安定 現実策を」と題する読売新聞社提言を発表し(同15日付)、女性宮家の創設のみならず、その夫・子も皇族とし、「女性天皇に加え、将来的には女系天皇の可能性も排除することなく、現実的な方策を検討すべき」と、男系による万世一系の歴史と伝統を否定するかのような左翼顔負けの皇室論を唱え批判を被った。

 それが懲りずにまたぞろ、である。皇族数の確保を巡って政府の有識者会議は2021年に①女性皇族が婚姻後も皇族身分を保持②旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える―の2案を示し、森英介衆院議長は月内にも国会の取りまとめ案を提示する見通しだが、読売は「女性・女系を排除せず論じよ」(4月16日付社説)「男系に固執し実現できるのか」(5月17日付同)などと執拗(しつよう)に女性・女系天皇容認論を張っている。

 読売5月16日付に掲載されている各党・各会派の「立場」一覧表によると、「女性・女系天皇を認めるべきだ」は13会派のうち、共産党と沖縄の風(旧沖縄社会大衆党系)の2会派のみだ。中道改革連合が旧宮家養子案を容認したので(12日)、同案への反対は共産党と社民党など、これも少数の左派勢力だけとなった。

 ところが、オールドメディアは読売だけでなく朝日12日付社説「養子案の容認 皇室への信頼保てるか」、毎日13日付社説「皇室に男系男子養子案 国民の理解得られるのか」、東京2日付社説「皇位継承の安定 『女性・女系』排除せずに」など養子案否定、女性・女系支持が多数を占めており、産経を除いて著しく左傾化している。

悠仁親王の存在軽視

 読売17日付社説は前記の有識者会議案を認めず、「そもそも小泉政権時代の05年には、別の有識者会議が、男系男子だけで皇位を継承することは困難だとして、女性・女系天皇を容認する報告書をまとめていた。現在、養子案を支持する政党が、この報告書を一切考慮せずに結論を急ぐのは、女性・女系の可能性を排除するのが狙いだろう」と難癖を付けている。ばかも休み休み言え、と思わず叫びたくなる愚論である。

 2005年有識者会議はロボット工学の専門家など門外漢の学者ら10人から成り、報告書にジェンダーフリー論を持ち込み、天皇(男子)が「性別による役割分担」のように記した。何より問題なのは未成年の男子皇族がおられないことを前提にしていたことだ。翌06年9月6日に秋篠宮家に男子皇族、悠仁親王がお生まれになり、報告書の意味はなくなった。顧みられないのは当然だ。読売が悠仁親王の存在を軽んじているなら、不敬も甚だしい。

 養子案については05年報告書が触れなかったことに少なからず批判があった。朝日の岩井克己編集委員(皇室担当=当時)は伏見宮系統の旧皇族の復籍を退けたことに疑問を呈し拙速な議論は「禍根を残す」と警鐘を鳴らしている(05年11月25日付「皇室の未来 論議尽くせ」)。朝日にもこんな考えの持ち主がいたのである。

 また「ひげの殿下」と親しまれた三笠宮寛仁殿下が異議を唱えておられた。福祉団体の会報に「世界に類を見ない我が国固有の歴史と伝統を平成の御世でいとも簡単に変更して良いものかどうか」と疑問を呈され、皇籍離脱した元皇族の皇籍復帰や現在の女性皇族(内親王)が元皇族(男系)から養子を取れる代案を示されていた。

「ちゃぶ台返し」再び

 昨年5月の読売提言は「ちゃぶ台返し」を狙ったものだった。当時、共産党と立憲民主党以外の与野党8会派は男系による万世一系の歴史と伝統を重んじ「男系継承原則の堅持、女性皇族の民間人配偶者および子は皇籍を認めない」との考えでまとまっていた。それが読売提言で意を強くした立憲・共産に猛反対され合意は先送りされた。読売が今回も「ちゃぶ台返し」を狙っているなら「左翼の尖兵(せんぺい)」と化したと言うほかない。

(増 記代司)

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »