
背景に「反基地無罪」
沖縄県名護市の辺野古沖で同志社国際高校の生徒が乗った小型船2隻が転覆し同校2年の武石知華さんらが死亡した事故を巡って、地元紙・沖縄タイムス(以下、タイムス)が3日付に「おわび」を掲載した。事故直後の一報では朝日が誤報で「おわび」を載せており(朝日デジタル版3月16日)、奇(く)しくもタイムスと朝日の「おわび揃(そろ)い踏み」となった。
朝日の那覇総局はタイムス本社ビルに置かれており、両紙は記者交換するなど一体的関係にある。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題では「反辺野古」で“共闘”しており、「反基地無罪」を思わす身勝手な報道姿勢が両紙の「おわび」の背景にある。
タイムスの「おわび」は1日付5面オピニオン面に「辺野古事故デマは許されず」とのタイトルで掲載された読者投稿についてだ。投稿末尾に「天国から二人の声が聞こえてくる。『誹謗(ひぼう)中傷にめげず、抗議行動を続けてほしい』と」との一文があり、これを投稿者の同意を得て削除し、「亡くなった方々の意思を断定する不適切な表現になっており、本紙の編集過程の確認作業が不十分でした。おわびします」としている。
それにしても悪辣(あくらつ)な投稿だ。タイムスが言う「不適切な表現」のレベルを超えている。知華さんは「綺麗(きれい)な珊瑚礁(さんごしょう)」と「美ら海水族館」を楽しみに修学旅行で沖縄を訪ねており、抗議行動でなかったことは遺族の証言などで広く知られている。タイムス自身も4月10日付に転覆事故で船を運航したヘリ基地反対協議会が高校生の抗議参加説を否定していると報じている。
同紙ウェブによれば、投稿は「オピニオン係」が受け付ける。紙面掲載に至るまで担当者、デスク、校閲など何人もチェックするはずだ。しかし誰も「不適切」と思わないところに、同紙の「体質」(反基地無罪)が露見している。
1日遅れた朝日報道
朝日の「おわび」も同類だ。事故直後の3月16日正午すぎに「米軍普天間飛行場の移設工事に対する抗議活動のために乗船していたという」と配信し、後に記事を修正し16日夜に記事中に「おわび」を掲載した。朝日記者は何を根拠に「抗議活動」としたのか。タイムス同様、「体質」の所産か、「反辺野古」仲間の情報か。どちらにしても罪深い誤報だった(4月7日付拙稿「遺族に対する謝罪記事を隠す狡猾(こうかつ)な朝日」参照)。
タイムスは1日付投稿の「おわび」を2日後の3日付に掲載した。丸1日、空白がある。投稿欄の画像がⅩ(旧ツイッター)やフェイスブックに拡散し批判の声が渦巻き、社内でも問題視されたという(松田俊太同紙記者=J―CASTニュース3日配信)。そんな騒ぎがなければ「おわび」はなかったかもしれない。
産経と読売はこの「おわび」を4日付で報じたが、朝日と毎日、地方紙は1日遅れの5日付だ。共同が4日に配信しており、毎日や地方紙はこれを載せている。朝日は自社記事だが、共同の配信がなければ果たして報じたか、これも疑わしい。なにせ朝日は同事故が国会でも論議されているのに社説では全く取り上げない(10日現在)。不都合な真実は知らしむべからず、か。
新聞界にも過激派!?
ところで、タイムスは1970年代にカラー印刷化でライバルの琉球新報に後れを取り部数を減らした。そこで83年、当時の比嘉敬社長が共産党寄りの極左集団・革マル派の闘士だった新川明氏にバトンタッチし、左傾化で部数挽回を目指した(渡久地政夫・元琉球新報記者『沖縄の新聞がつぶれる日』沖縄フリージャーナリスト会議編)。爾来(じらい)、朝日とタイムスの「反米反戦共闘」が続いている。
警察庁の鈴木敏夫長官官房審議官は8日の衆院法務委員会で「沖縄の基地反対運動を行っている者の一部には極左暴力集団(過激派)も確認されていると承知している」と述べているが(産経ネット9日付)、新聞界も怪しいものである。
(増 記代司)





