トップオピニオンメディアウォッチ国際社会の変化語らず、いつまでも「護憲ありき」の左派論調は超少数派

国際社会の変化語らず、いつまでも「護憲ありき」の左派論調は超少数派

最高裁判所
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焦点は改憲時期・中身

 憲法改正への賛成はもはや国民の大勢。焦点は改憲の中身と改正の時期である―。憲法記念日の3日を軸に公表された報道各社の憲法世論調査結果は、ざっくり言えばこうなるだろう。高市早苗政権の登場によって憲法を巡る潮目も大きく変わった。

 改憲の賛否は共同通信=賛成69%、反対31%(1日公表=加盟社2日付)。朝日=賛成49%、反対44%。読売=賛成57%、反対40%。日経は25年10~12月に実施した郵送世論調査では賛成68%、反対27%で「年1回の同調査では5年続けて改憲派が6割を超えている」としている(いずれも3日付)。

 賛否そのものを問うのはもはや愚問というわけだ。それで日経は改正時期を問い、「期限を設けず議論すべき」が半数近くに上り、「来年春までに発議を目指すべき」が28%、「改正の必要はない」が19%としている。毎日は高市首相在任中での改憲賛否を問い、賛成37%で反対30%を上回った(「わからない」32%)。朝日も同様に問い、賛成47%、反対43%。これを朝日は「高市政権で改憲 賛否拮抗」と報じるが、拮抗(きっこう)とするのは姑息(こそく)だ。

 朝日紙面にある「安倍政権のもとで憲法改正」の賛否一覧表によれば、2016年から20年までの5回の調査でいずれも反対が賛成を上回った。それが高市政権で逆転した。これこそニュースだ。

自民党案賛成が多数

 注目すべきは9条についてだ。共同では昨年は改正、堅持とも48%だったが、今年は改正50%、堅持48%と僅(わず)かとはいえ改正が上回った。朝日では堅持が63%で、紙面(同日付7面見出し)でそれを強調しているが、これも姑息の類いだ。9条に新たに自衛隊の存在を明記する自民党改正案は賛成52%で、反対40%を凌駕(りょうが)している。

 毎日は自民党案と言わずに「憲法9条を改正して自衛隊の存在を明記すること」を問い、賛成は43%で反対24%をはるかに上回っている(「わからない」31%)。読売は9条を項目ごとに問い、「戦争を放棄すること」を定めた1項は堅持80%、「戦力を持たないこと」の2項は堅持48%、改正47%と拮抗。自民党改正案は賛成60%、反対35%で、朝日と同じく改憲派が多数を占めた。産経でも「自衛隊の明記」は賛成59%、反対31%だった(4月20日付)。

 朝日は憲法の平和主義が前提とする「世界中の国の人たちが平和を求め、協力する世界」が揺らいでいるかと問うているが、「揺らいでいる」が83%に達した。中国の軍事力への脅威を感じるかには、「感じる」が84%。ところが、朝日は防衛力増強の是非を全く聞かない。読売はこれを問うており、防衛力強化賛成が77%に上っている。

 各紙社説(5月3日付)に目を通すと、読売「世界の激動踏まえ議論深めよ」は、「平和を唱えているだけでは、自国の安全を守れない時代」とし「他国を信頼する、という前文の理念は、もはや通用しない」と9条改正を唱え、「偽情報の氾濫への対応も急務だ」とする。産経「9条の弊害を直視したい」は、「改正実現へ条文化に着手せよ」と迫っている。

戦後日本の歪さ象徴

 これに対して左派オールドメディアは国際社会の変化を一切語らず、護憲学者よろしく「井の中のカワズ論議」に終始している。朝日「高市政権と憲法 『改憲ありき』を繰り返すのか」は、「憲法は人々の自由や権利を守るために、権力に制限を課すものだ」と古びたマルクス流の国家悪論(階級国家論)を持ち出す。それこそいつまで「護憲ありき」なのかと問いたくなる。東京「権力縛る原点に返ろう」は、権力を縛って自らの首も縛る愚に陥っている。毎日「主権者として向き合おう」は、「執筆が決まり憲法全文を読み直した」と白状し、条文読みの世界知らずを地で行く。

 こういう左派論調は世論でも政党でも超少数派である。それがメディアで闊歩(かっぽ)しているのだ。これでは「憲法守って国滅ぶ」に陥る。戦後日本の歪(いびつ)さの象徴と言ってよい。

(増 記代司)

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