政府は13日の閣議で、インテリジェンス(情報活動)政策の司令塔となる「国家情報会議」設置法案を決定し、国会に提出した。首相が議長を務める会議と共に、事務局として内閣情報調査室(内調)を発展的に改組した「国家情報局」を新設するための法案だ。政府・与党は法案を速やかに成立させ、7月にも設置する方針を示している。
国家情報会議は安全保障やテロリズムに関する「重要情報活動」を推進するほか、外国スパイによる影響工作を含めた「外国情報活動への対処」を審議し、基本方針を定める。これまで日本の対外情報活動を巡っては、省庁縦割りの弊害で、警察庁や公安調査庁、外務省、防衛省などが個別に持つ情報を十分に生かせていなかった。このため法案は、各省庁に会議への資料や情報の提供を義務付けている。
これに先立ち、自民党インテリジェンス戦略本部は3日、「わが国のインテリジェンス機能の抜本強化に関する提言」を高市早苗首相らに申し入れた。自民機関紙「自由民主」3月17日号は8面で「わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなる中で、国民の安全と国益を守り抜くために、わが国独自のインテリジェンス能力を強化する必要性を唱えた」としている。
自民と日本維新の会の連立合意書はインテリジェンス政策として、「対外情報庁(仮)」の創設やスパイ防止関連法の制定なども明記しており、国家情報会議の設置後に議論を本格化させる。
自民の提言では対外情報庁について、外務省の国際テロ情報収集ユニットなどの人員や予算を拡充しつつ、設置も視野に検討を進めるとしている。対外情報庁は主に海外でヒューミント(人的情報活動)を担うことが想定されている。
ヒューミントとは人と人が接触して情報を得る手法。日本は通信や電波、電子信号を収集、分析する「シギント」能力は優れているとされるが、サイバー空間などに表れない最高機密はヒューミントでなければ得られない。
米中央情報局(CIA)や英秘密情報部(MI6)などのように高いヒューミント能力を持つ情報機関が日本には存在しない。対外情報庁創設や人材育成は喫緊の課題だ。インテリジェンス政策では、矛の役割を果たす対外情報庁と共に盾の機能を強化するためのスパイ防止法も欠かせない。






