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家庭連合への解散命令 教団は強制棄教の問題伝えよ

 東京高裁は4日、世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)に対する宗教法人解散命令請求を巡る即時抗告審で、昨年3月に東京地裁の出した解散命令を維持する決定を下した。

 これによって家庭連合は宗教法人格を失い、清算手続きが始まった。全国の教会は清算人の管理下に置かれ、信者は出入りできない状況となっている。

 2009年のコンプライアンス宣言後、家庭連合による献金被害は激減している。それにもかかわらず、高裁は推認を重ね、不法行為の「可能性が否定できない」と指摘して家庭連合の即時抗告を棄却した。証拠裁判主義から程遠い、不当な決定だと言わざるを得ない。家庭連合が最高裁に特別抗告したのは当然だ。

 宗教法人法が解散命令の要件とする「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」は従来、刑事事件のみだった。22年7月の安倍晋三元首相銃撃事件後、野党が家庭連合との「癒着」を追及する中、当時の岸田政権がその場しのぎで要件に「民法の不法行為も入り得る」とする重大な解釈変更を行ってしまった。これが高裁決定を導き出したことを踏まえれば、日本の「法の支配」は大きく揺らいでいると言えよう。

 高裁決定について、日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」は5日付1面トップに「統一協会 高裁も解散命令」「即時抗告を棄却 清算手続き開始へ」との見出しを掲載。記事では「被害者と弁護団の長年にわたる本当に大変な努力で、解散命令という形で大きく前進した」という小池晃書記局長のコメントも取り上げた。

 家庭連合は友好団体の国際勝共連合と共に、神の存在を否定する共産主義を厳しく批判してきた。このため、共産は両団体を敵視してきた経緯がある。

 中でも共産が敵意をむき出しにしたのは、1978年4月の京都府知事選で共産支持の候補が敗れ、28年に及んだ革新府政が終止符を打った時だ。この選挙戦で勝共連合は、共産の宮本顕治委員長(当時)による戦前の「リンチ殺人事件」を徹底的に批判し、共産を敗北に追いやった。宮本氏は敗北後に「“勝共連合退治”の先頭に立つことは、後世の歴史に記録される『聖なる戦い』」と宣言した。

 ところで家庭連合を巡っては、信者が反対派によって拉致監禁され、棄教を迫られる事件が続発した。66年以降、監禁された信者は4300人以上に上る。特に78年から86年にかけては信者を精神病院に強制入院させるケースが相次いだが、この時に使われたのが共産系の病院だった。

 また勝共連合が80年代にスパイ防止法制定運動を推進すると、共産など左翼勢力は制定を阻止するために「霊感商法」キャンペーンを展開。共産と関わりの深い弁護士らが「全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)」を結成した。

 「霊感商法」報道で不安をあおられた信者の親族は、家庭連合に反対するキリスト教牧師らに相談し、拉致監禁が増加した。12年5カ月にわたって監禁された後藤徹氏も、家族や牧師、職業的ディプログラマー(脱会屋)らによってマンションの一室に閉じ込められた一人だ。

 一方、全国弁連は、棄教した元信者の損害賠償請求訴訟を支援するなど“家庭連合潰(つぶ)し”に狂奔した。こうした法廷闘争が解散命令に影響した面がある。

 家庭連合を批判することは自由だ。だが信者に棄教を強制することは、憲法で保障された信教の自由を踏みにじるもので断じて容認できない。家庭連合は、解散命令の背後にこうした問題があることを多くの国民に伝えていく必要がある。

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