まさかここまで議席を減らすとは――。立憲民主党と公明党が結成した中道改革連合は、衆院選で公示前勢力の3分の1以下の49議席しか獲得できなかった。しかも、旧民主党代表などを歴任した小沢一郎氏、前衆院副議長の玄葉光一郎氏、元官房長官の枝野幸男氏、元外相の岡田克也氏ら大物候補が軒並み落選という惨敗である。中道結成のキーマンである安住淳共同幹事長も議席を得ることができなかった。
一方、同じ中道でも公明系は公示前勢力の24議席から28議席に増やしている。つまり、立民系の「一人負け」なのである。
これまで小選挙区で自民候補を支えていた1万~2万の公明票が立民候補に流れ、勝利できるとの予想は外れた。公明系が比例代表で優遇され、議席を増やしたことで、立民系からは恨み節も聞こえる。
公明機関紙「公明新聞」は2月10日付で選挙結果を伝え、立民系の野田佳彦共同代表と公明系の斉藤鉄夫共同代表による9日の記者会見での発言も掲載した。野田氏が「多くの議席を失ったことは痛恨の極み」と述べたのに対し、斉藤氏は「比例区では1043万票をいただいたのは大きな期待の表れ」と前向きな姿勢を示した。
高市早苗首相(自民党総裁)の圧倒的な人気を前に存在感が低下する一方の立民は、公明との合流に一縷(いちる)の望みを託したのだろう。公明と政策を一致させるため、これまで「憲法違反部分を廃止する」としてきた安全保障関連法を「合憲」としたほか、事実上「原発ゼロ」の旗を降ろした。
だが保守的な有権者からは「野合」と言われ、従来の支持層であるリベラル派からは「変節」と批判された。これでは選挙に勝つのは難しい。
議席数は激減したが、それでも衆院では中道が野党第1党である。これまで立民は、高市氏にケチをつけようと国会審議などで敵対的な姿勢に終始した。しかし、このようなやり方はもう通じない。これは、高市政権に是々非々の立場で臨んでいる国民民主党や参政党が衆院選で一定の支持を得たことを見ても明らかだ。
与党の不祥事がなければ政権交代できない野党第1党ではなく、日ごろから政権担当能力を磨き、安全保障やエネルギーに関しても現実的な政策を掲げ、有権者の信頼を得る努力が求められよう。それができなければ、政権は遠のくばかりだ。






