「高市早苗が、内閣総理大臣で良いのかどうか」を国民に問うた真冬の衆院選は、8日に投開票が行われ、高市首相(自民党総裁)の率いる自民が歴史的な大勝を果たした。
自民機関紙「自由民主」2月17日号は「衆院選 自民316議席」「強い民意が高市政権を信任」「高市総裁の覚悟と信念に民意が共鳴」などの見出しを並べ、記事では「『日本列島を、強く豊かに。』を掲げて選挙を戦い、歴史的な大勝利を収め、国民からの強い民意を得た。わが党は、この勝利を起点に選挙戦で高市早苗総裁が訴えた『政策の大転換』の具体化に向けて、一致結束して取り組む」と宣言した。
その「政策の大転換」について、高市氏は投開票日翌日の9日、党本部での記者会見で、責任ある積極財政、安全保障政策やインテリジェンス機能の強化などを列挙した。「高市カラー」を前面に打ち出した内容だ。ただ「安全保障政策の大転換」には憲法改正を避けて通れない。
衆院選では自民単独で定数の3分の2を超え、改憲原案の発議が可能な議席数となった。一つの政党が衆院で3分の2を得たのは戦後初めてだ。参院では連立を組む日本維新の会と合わせても過半数に届かないが、改憲に積極的な国民民主党や参政党が昨年の参院選で躍進している。
高市氏も会見で「憲法改正に挑戦する」と明言。「少しでも早く国民投票が行われる環境をつくっていけるよう粘り強く取り組む覚悟だ」と決意を語った。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、戦力不保持や交戦権否認を定めた9条を改正し、自衛隊を軍と明確に位置付けることは喫緊の課題だ。
「自らの国を自らの手で守る。その覚悟なき国を誰も助けてはくれない」と強調するのであれば、全身全霊で9条改正に取り組む必要がある。集団的自衛権行使を全面容認し、日米同盟における日本の役割を拡大して同盟の信頼性を向上させていく上でも改憲は欠かせない。近い将来に発生する可能性が高い南海トラフ地震や首都直下地震を念頭に緊急事態条項を創設することも急がれる。
また「国の理想の姿を物語るのは憲法だ。この国の未来をしっかりと見据えながら、憲法改正に向けた挑戦を推し進める」とも強調した。その意味では「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とする前文の書き換えも重要である。
この前文は9条と共に戦後日本の「空想的平和主義」の元凶であり、安全保障強化を妨げてきた。他国に付け入る隙を与えるような箇所を削除するとともに、日本の歴史や国柄を明記した前文にすることは、高市氏が政治の師と仰ぐ安倍晋三元首相の言葉を借りれば「戦後レジームからの脱却」にほかならない。
本紙10日付によると、衆院選期間中のSNS上の投稿では、終盤にかけて改憲や安全保障への言及が急伸した。与党大勝の観測を受け、高市氏が進める外交・安全保障政策の実現可能性が増したことが背景にある。改憲への機運は高まっており、衆院選で有権者から大きなチャンスを与えられたと言えよう。
高市氏は「さまざまな声に耳を傾け、謙虚に、しかし大胆に政権運営に当たる」と表明した。改憲は自民の党是である。党を挙げて改憲原案を作成できるよう、高市氏は指導力を発揮して党内の意見を集約し、維新との協議や野党との協力を進めて一日も早く発議を実現してもらいたい。






