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衆院選予測が大外れした原因を分析せず知らんぷりのエコノミスト

衆議院議員選挙投票用紙のイメージ
衆議院議員選挙投票用紙のイメージ

自民党の苦戦を強調

 2月の第51回衆院選で自民党が316議席を獲得する歴史的大勝利を収めた。

 自民党の大勝予測について、選挙前には通信社や新聞社のアンケート調査などで発表されていたものの、オールドメディアに顔を出すジャーナリストやアナリストの大部分は、予想を打ち消すように自民党苦戦を報じていた。ところがいざ蓋(ふた)を開けてみると、自民党圧勝と中道改革連合の大敗北。こうした予測と結果の違い=ミスリードについてオールドメディアに登場した論客たちはどのような見解を打ち出すのか、という点が実に気になるところだった。今回の選挙について経済2誌が取り上げた。

 一つは週刊エコノミストで、2週にわたって選挙前と選挙後について論じている。ちなみに、同誌は「東奔政走」という政治に関する2ページほど割いたコラム欄があり、政治や外交など時事的テーマを取り上げて論評している。その中で2月10日号(2月3日発売)では選挙前の予測、2月24日・3月3日合併号(2月17日発売)では選挙後の自民党についての記事が掲載されている。

 まず2月10日号では、自民党の苦戦を強調した。高市早苗首相の電撃解散についてコラムでは「『大義なき、自己都合解散だ』という厳しい見方は、すでに有権者の間に広く浸透している。『有権者が投票所に足を運びにくい2月に、巨額の税金を使って選挙をする必要があるのか』という疑問も消えない」(与良正男・毎日新聞客員編集委員)と断罪し、さらに「『もう、みそぎは済んだ』とばかりに、自民が派閥裏金問題に関係した議員37人を公認し、比例代表との重複立候補を認めたことも不信に拍車をかけている」(同)と追い打ちをかけ、返す刀で「自民候補の間には早々と(解散総選挙に)恨み節が渦巻いているのが現実だ」(同)と論評。高市首相の解散劇は正当化されるものではなく、国民の多くが反感を抱いていると主張する。

今後の政局占うのみ

 加えて、「私が首相にふさわしいか、国民に決めていただく」という高市氏の言葉は、(自民の)単独過半数を見据えていると見た方がいいと与良氏が見込んでいたとしても、同号の文面からは大勝どころか「与党では過半数」(与良氏)が精いっぱいという予測であった。

 ところが、選挙の結果は与良氏の予測とは裏腹に自民党が圧勝。もっとも、同誌において、この予測と結果が大きく食い違ったことについて分析はなく、2月24日・3月3日合併号では、高市政権の今後の政局を占うのみであった。「自民は衆院で3分の2の議席を獲得し、参院で法案などが否決されても再可決できる。ただ、いきなり乱発するわけにもいかないだろうから参院での駆け引きは今後も重要だ」といった具合に知らんぷりを通す。

生き残り目的の新党

 もう一つは東洋経済で、2月21・28日合併号で衆院選を分析。自民党圧勝の要因について、「自民党の一方的な強さだけで説明するのは適切ではない。相手が弱く、分裂していたという側面が大きかったのではないか」(飯尾潤・政策研究大学院大学教授)と分析。すなわち、野党第一党の立憲民主党は公明党と合併し中道改革連合を結成したが、①党名に清新さがなかった②それまで対立していた公明党に対して、唐突な路線転換への不信感が立民支援者の中にあった③公明党の中にも自民党支援者がある程度存在した④国民民主党による候補者の大量擁立が野党票の分散を招いた―などを挙げる。

 それでなくとも立憲民主党は、政策よりも政権与党への批判に終始する政党と見られていた。選挙直前になって、公明票を当てにして合併してつくった新党「中道改革連合」の綱領を見れば、公明党の理念を丸呑(の)み。政策の打ち合わせも十分にせぬまま単に「生き残り策」を図るための新党であることは誰の目にも明らかであった。反自民・与党のオールドメディアに乗せられて、その場凌(しの)ぎに取った行動が大敗北の原因であったことは間違いない。

(湯朝 肇)

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