トップオピニオンメディアウォッチ中道改革連合が発足 「平和守り抜く」と「公明新聞」

中道改革連合が発足 「平和守り抜く」と「公明新聞」

新党「中道改革連合」を発表する立憲民主党の野田佳彦代表(中央)と公明党の斉藤鉄夫代表(右から2人目)ら=16日午後、国会内
新党「中道改革連合」を発表する立憲民主党の野田佳彦代表(中央)と公明党の斉藤鉄夫代表(右から2人目)ら=16日午後、国会内

 高市早苗首相(自民党総裁)が23日、通常国会冒頭で衆院解散に踏み切った。衆院選は27日に公示され、2月8日に投開票が行われる。高い内閣支持率を背景に国民の信任を得て政権基盤を強化し、国内外の課題に取り組む狙いがあろう。

 一方、立憲民主党と公明党は解散前の1月15日、新党結成で合意。16日には新党の名称を「中道改革連合」とすると発表した。

 公明機関紙「公明新聞」は連日、1面トップで新党結成の動きを追った。16日付は「『中道』大きな勢力に」「公明、立憲と新党結成へ」、17日付は「新党名 中道改革連合」「生活者ファースト貫き 日本の平和を守り抜く」、18日付は「初の本格的な中道勢力」「新党『中道改革連合』 公明の理念・政策がベース」などの見出しが並んだ。

 衆院選には小選挙区と比例代表を合わせて自民に次ぐ236人が立候補した。ただ昨年10月の離脱まで連立与党の一翼を担ってきた公明と野党第1党の立民の合流は「野合」「選挙互助会」などの厳しい批判にさらされている。両党の衆院議員のみが新党に参加し、参院議員や地方議員は引き続き両党に所属することも「選挙目当て」との見方を強める原因だと言えよう。

 「公明新聞」19日付「主張」は「自民党と日本維新の会による連立政権は、憲法9条の改正や防衛装備移転の5類型撤廃といった右派色の強い政策も掲げている。政治の右傾化が見られる中、良識ある政治と社会の安定を取り戻すには、より大きな中道勢力が必要であり、『中道』の結成はその第一歩となろう」と強調した。

 防衛力強化に向けた政策を掲げる高市内閣の支持率が高いのは、台湾有事を巡る高市首相の国会答弁に中国が反発し、軍民両用(デュアルユース)品の対日禁輸措置などの圧力をかけてきたことで、国民、特に若い世代の間で安全保障に対する理解が広がったこともあろう。憲法9条改正を「右傾化」とする新党は、こうした民意を顧みないのだろうか。

 新党の「基本政策」では五つの政策の柱を掲げている。その一つである「現実的な外交・防衛政策と憲法改正論議の深化」を見ると「専守防衛」「非核三原則の堅持」「立憲主義」などの文言がある。だが、こうした旧態依然の政策や理念で中国や北朝鮮などの脅威に対処できるか疑わしい。

 強い違和感を覚えるのは「平和安全法制が定める存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲」と明記されていることだ。立民はこれまで平和安全法制について「違憲部分を廃止する」としていたが、党内での議論もろくに行わないまま、公明との新党結成を優先して「合憲」に転じたことは有権者を愚弄(ぐろう)するものだと言わざるを得ない。党利党略の極みであり、安全保障政策を巡る変節は、国民の生命と財産を守るという政府の第一の使命を軽く考えていると受け取られても仕方がない。

 報道各社は、これまで自民候補を支えてきた公明票が立民候補に流れた場合、前回衆院選で自民が勝利した選挙区の多くで立民候補が当選するとしている。しかし朝日新聞が17、18の両日に実施した全国世論調査によると、新党が高市政権に対抗できる勢力になると思うかという質問に対し、69%が「ならない」と回答している。新党の政策が付け焼き刃であることを有権者に見透かされているのだろう。

 もともと立民は中道派とリベラル派が混在する「寄り合い所帯」だったが、公明と合流すれば党内情勢はさらに複雑化するだろう。仮に今回の衆院選で政権を奪取したとしても、適切で円滑な政権運営をできるか疑問だ。かつての旧民主党政権のように混乱を招かないか懸念される。

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