トップオピニオンメディアウォッチスパイ防止法制定の動き 「赤旗」は「葬り去る」と反発 【政党メディアウォッチ】

スパイ防止法制定の動き 「赤旗」は「葬り去る」と反発 【政党メディアウォッチ】

参院に法案を提出する参政党=11月25日午後、国会内
参院に法案を提出する参政党=11月25日午後、国会内

 スパイ防止法制定の機運が高まっている。参政党と国民民主党は11月、関連法案を国会に提出。臨時国会の閉幕によって制定は来年の通常国会以降に持ち越されたが、与党の自民党と日本維新の会は連立政権合意書で「インテリジェンス・スパイ防止関連法制(基本法、外国代理人登録法及びロビー活動公開法等)について令和七年に検討を開始し、速やかに法案を策定し成立させる」としている。

 機運の高まりの背景に、制定に積極的な高市早苗氏が首相に就任したことがあろう。高市氏は就任前の5月、自民の「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」会長として、当時の石破茂首相に制定検討を求める提言書を提出した。

 一方、制定に反対する日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は、12月11日付2面「主張」の「スパイ防止法案 葬り去るしかない危険な動き」で、スパイ防止法について「外国勢力の脅威をあおり、スパイの取り締まりを口実にすべての市民を監視し、報道の自由を奪い、人権と民主主義をじゅうりんするものです」としている。「葬り去る」という強い表現からも、共産のスパイ防止法に対する激しい反発がうかがえる。

 ただ、こうした批判に既視感を覚える読者もいるのではないか。安倍政権下では2013年12月に特定秘密保護法、17年6月には「共謀罪」の構成要件を改めた「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が成立したが、この時も共産は法案に反対して「報道の自由を奪う」「警察が市民を監視する」との主張を展開した。

 特定秘密保護法は機密情報を漏洩(ろうえい)した者への罰則を強化して米国などとの情報共有を進める狙いがあり、改正組織犯罪処罰法はテロを抑止する目的がある。どちらの法律も国民の安全を守るためのもので、施行によって人権が侵害された例は聞かない。共産の批判が、いかにいいかげんで無責任であったかが分かる。

 40年前の1985年6月にも、自民議員が議員立法としてスパイ防止法案を国会に提出した。この際も、共産をはじめとする左翼勢力が猛反対している。当時も80年1月に宮永スパイ事件が発生するなど外国のスパイによる脅威が高まっていたが、左翼勢力は「治安維持法の再来」などと的外れの批判を行い、全力を挙げて廃案に追い込んだ。

 今回も左翼勢力は制定を阻止しようとするだろう。赤旗は11月27日付2面「参政『スパイ防止法案』提出」で「『スパイ防止法案』を巡り、自民、維新、参政の3党が『反動ブロック』に向けた危険な動きを強めています」などと述べている。

 赤旗だけでなく、朝日や毎日などの左派紙も、スパイ防止法について「人権侵害の恐れ」を強調している。しかしスパイ防止法のない日本では、政府や企業から機密情報を奪おうとする中国などのスパイが暗躍している。先端技術が盗まれ、軍事転用されれば、日本の安全が脅かされることにもなりかねない。制定を阻止しようとする「左翼ブロック」の方こそ問題だ。

 もっとも8月のロイター企業調査によると、8割超の企業がスパイ防止法の制定を検討すべきだと考えている。国民の多くがその必要性を認めているのではないか。7月の参院選で制定を公約に掲げていた参政や国民民主が躍進した一因でもあろう。

 スパイ活動には機密情報窃取のほか、さまざまな工作活動も含まれる。日本にスパイ防止法があれば、北朝鮮による日本人拉致事件を防げたとの指摘も出ている。

 高市政権は国家と国民を守るため、実効性あるスパイ防止体制を一日も早く整備しなければならない。

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