トップオピニオンメディアウォッチ維新の「疑惑」追及も共産党の「公金還流」には沈黙する赤旗と左派紙

維新の「疑惑」追及も共産党の「公金還流」には沈黙する赤旗と左派紙

紙面では小さい報道

 日本共産党の中央機関紙「しんぶん赤旗日曜版」が、日本維新の会の藤田文武共同代表が自身の公設第1秘書の会社にビラやポスターの印刷などを発注していたとする「公金還流疑惑」を報じ(10月29日配信)、これに対して藤田氏が「法的にどこを切り取っても適正だ」「赤旗はプロパガンダ紙」と断じ、赤旗記者の名刺をX(旧ツイッター)に掲載するなど徹底抗戦。このバトルがネット上で炎上している。

 ところが、新聞では毎日が同31日付政治面にベタ記事、朝日が11月1日付第3社会面の短報で触れた程度で扱いは小さい。藤田氏の行為は「公金還流」とは言えず、せいぜい維新vs赤旗ぐらいのニュース性だからだろう。

 政治記者なら選挙ポスターやビラを巡る仕組みは熟知しているはずだ。国政、地方政治を問わず、それらには公費負担制度があり、候補者から政策・印刷を依頼された業者らはその費用を選挙管理委員会に請求し支払いを受ける。資産の有無で立候補が左右されないためで一定票に達しない場合、供託金を没収する。

 地方の市町村選挙ならまだしも国や都道府県レベルともなれば、ポスターやビラは政策やイメージ、使用する色まで選挙戦略に関わる。だから知りもしない印刷会社に丸投げなど到底できない。候補者、秘書が直接関わり、委託する。藤田氏は秘書の会社だったわけだ。与野党を問わず、そんな構図が定着している。

 それを問題視するなら、それこそ政治改革のテーマにすべきだ。藤田氏が「構図そのものが誤解や疑念を招くという、疑念や批判は真摯(しんし)に受け止めたい」と述べ、当該企業に今後発注しない考えを示しているように(4日、記者会見で)、制度そのものに改革の余地があるからだ。

赤旗を報道機関扱い

 それにもかかわらず左派紙は、報道では小さく社説では大きく(いつもの手法だが)維新に焦点を当て批判を繰り広げている。朝日「維新『身正す改革』こそ」、毎日「疑念拭う説明が足りない」、京都「『身を切る改革』が泣く」(いずれも7日付)、北海道「維新・藤田氏 疑念に威圧で応じるのか」(8日付)といった具合だ。

 解せないのは、いずれの社説も赤旗を報道機関扱いしていることだ。朝日は赤旗を政党機関紙としつつも「安倍政権下の『桜を見る会』や自民党の派閥の裏金をめぐる疑惑を掘り起こすなど、報道機関としての役割を果たしてきたことは紛れもない」と評価し、北海道は藤田氏に「報道の自由を脅かすことは断じて許されない」と居丈高に書く。

 報道機関とか報道の自由とか、そんなのは赤旗には関係ない話だ。赤旗が安倍氏や自民党、そして今回、維新を追及しているのは報道機関としてではなく、共産党の政治目的の達成のためだ。だいたい「広く一般に向けて発行され、報道機関として不偏不党・中立が求められがちな新聞」(狭義の新聞)と違い、機関紙とは「活動内容などの発表・宣伝・連絡のために発行する新聞」(広辞苑)であるからだ。

身内企業に印刷発注

 赤旗に不偏不党が果たしてあるのか。今回の「公金還流」を言うなら、共産党候補者のポスターやビラ作成はどうか。例えば、長野県佐久市の柳田清二市長はXで、衆院選長野3区の共産党候補者はポスター作成を長野3区内では行わず大阪の会社で行っていると明かし「全国の共産党候補者が公金で作成出来るポスターを一部の企業に印刷を回していたら大金が動く」と指摘、「日本維新の会の藤田共同代表の発注が問題になっていますが…共産党も説明してもらいたい」と問うている。

 松崎いたる共産党元板橋区議はネットで「共産党都議団は共産党の身内企業である『あかつき印刷』に政務活動費で印刷を発注しています。これは共産党・赤旗への公金還流の仕組みですね」と述べている。赤旗と左派紙は雁首(がんくび)並べて共産党の「公金還流」に沈黙する、同じ穴のムジナなのである。

(増 記代司)

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