世論調査で高支持率
「働いて、働いて、働いて」―。高市早苗首相の文字通りの“ロケットスタート”で社会の雰囲気が一変し、未来への曙光(しょこう)が見え始めた。朝日などの左派紙は自民党総裁選から1カ月近く反高市・反保守論調を張ってきたが、それらは国民意識と真逆だったのである。まずは高市内閣発足後の各紙世論調査の支持率を見ておこう(10月21~29日調査=掲載順)。
共同64・4%、読売71%、日経74%、産経75・4%、毎日65%、朝日68%と、いずれも驚くほどの高支持率である。年代別で見ると、18~39歳が80%で前回9月調査の15%から急増(読売23日付)、年代が高くなるにつれて支持率が下がる高齢層でも60代65%、70代52%と支持が不支持を上回った(毎日27日付)。
高市内閣が誕生すると、朝日は「急進的な『改革』姿勢への危惧」(22日付社説)をあげつらった。「防衛費のさらなる増額」「個人の思想・信条を侵害しかねないスパイ防止法策定」「選択的夫婦別姓制度の導入は遠のいた」などと懸念材料を並べ、「高市政権の危うさは、閣僚人事からも透けてみえる」とし、「靖国神社参拝を重ねてきた」小泉進次郎防衛相、「国会で排除・失効が決議された戦前の教育勅語に肯定的な姿勢が問われる」木原稔官房長官、「外国人労働者受け入れ制度を疑問視してきた」小野田紀美経済安全保障相、「積極財政派」片山さつき財務相と名指しで「危うさ」と断じた。
毎日も「危うさ」強調
毎日もこれにシンクロし、高市首相の所信演説を巡っては「『安倍2・0』突き進む危うさ」(25日付社説)と、朝日同様に「危うさ」との文言を躍らせ、高市内閣が安倍路線を継承し「強じんな国家を目指す」ことに横やりを入れ、「防衛力増強にも前のめりだ」「外国人政策にも疑問を抱かざるを得ない」「(選択的夫婦別姓制度を巡って)旧姓の通称使用拡大にとどめようとしている」と批判を重ねた。
これら論評は朝毎の思想を浮き彫りにしている。とりわけ朝日がそうで、日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」とそっくり同じことを言っている。赤旗23日付主張は「内閣の要となる官房長官には、現職防衛相として初めて靖国神社を参拝した木原稔氏を起用。防衛相となった小泉進次郎氏も終戦記念日の靖国参拝を『初当選以来、毎年の行動だ』という『靖国派』…『違法外国人ゼロ』を掲げ、排外主義をあおってきた小野田紀美(きみ)氏」と、やり玉に挙げている。
高市氏が自民党総裁に選出された際、赤旗9日付主張は「(高市氏が)『スパイ防止法』制定や外国人問題での規制強化」などを打ち出し「改憲勢力や極右・排外主義勢力が結びつき、より危険な政治へと向かう恐れ」があると批判していたが、これと朝日社説はどこが違うのか。筆者にはまるで双子、それも同じ遺伝子(マルクス思想)を継ぐ一卵性双生児のように思われる。
だから朝日は一連の高市外交にも否定的である。日米首脳会談では「防衛力の抜本的強化路線の加速をめざす高市政権は、力への傾斜を強めている」「武器輸出のさらなる緩和をめざす動きにも、強い懸念がある」(29日付社説)と言い、日中首脳会談では高市首相が尖閣諸島問題、レアアース(希土類)の輸出規制、邦人拘束などについて日本側の考えを率直に伝えたことを「懸念を示すだけでなく、『戦略的互恵』を具現化してもらいたい」(11月1日付社説)と中国の主張を代弁するかのように書き連ねている。
不支持多い団塊世代
ところで、高市内閣の不支持層は自虐史観の洗礼を受けた「団塊の世代」(昭和22~24年生まれ)が主流である。現在76~78歳で、子供の頃は家で朝日を読み、学校で日教組教師から革命教育を受け、学生時代には過激な学生運動に走り、あるいはそれに共感する「心情左翼」だった人が少なからずいる。共産党や公明党の高齢化問題がそれを映し出している。朝日もまた、しかり。オールドメディアと呼ばれる所以(ゆえん)である。
(増 記代司)





