トップオピニオンメディアウォッチ改正スポーツ基本法 自由民主「社会課題解決に」  「集まる」「つながる」を明記

改正スポーツ基本法 自由民主「社会課題解決に」  「集まる」「つながる」を明記

論説解説室長 宮田陽一郎

先の通常国会では6月13日、改正スポーツ基本法が成立した。2011年に制定、施行された基本法は、国家戦略としてスポーツ施策を推進することを定めたもの。制定から10年以上が経過し、スポーツを取り巻く環境が変化する中、超党派のスポーツ議員連盟が改正案を提出した。

改正法について、自民党機関紙「自由民主」7月1日号は5面で「スポーツの力をウェルビーイングの向上や多様な社会課題の解決に生かすことを目指す」ものだと紹介。「ウェルビーイング」とは「心身とも良好な状態」のことだ。

07年に遠藤利明文部科学副大臣(当時)の私的諮問機関「スポーツ振興に関する懇談会」は「『スポーツ立国』ニッポン」という提言を発表。①日本のプレゼンス向上②国際平和への貢献③国民の健全育成④国内経済の活性化⑤世界のトップスポーツの変化――などを理由に、五輪など国際競技大会に国家戦略として取り組む必要があると強調するもので、これが基本法の制定やスポーツ庁の創設につながった。

ただ基本法制定後、少子高齢化が加速し、地方の衰退に拍車が掛かった。改正法は日本社会や国民生活を豊かにするため、スポーツ施策の一層の強化に乗り出すよう政府に促すものだと言える。

「自由民主」は改正のポイントとして「これまでの『する』『見る』『支える』という関わり方に加え、スタジアムやアリーナに人々が集い、スポーツを通じて交流する『集まる』『つながる』という定義を明記」したことを挙げた。

さらに「基本理念では、全ての人が障害の有無等にかかわらずスポーツに親しめる『共生社会の実現』や、『健康で活力に満ちた長寿社会の実現』、『地域振興への貢献』等のスポーツの意義を掲げました」ともある。アスリートの権利保護のため、指導者によるハラスメントやインターネット上の誹謗(ひぼう)中傷などの防止を国や地方自治体、スポーツ団体の責務としたことも紹介した。

スポーツ施策が充実し国民の健康寿命が延びれば、医療費や介護費などを抑制できる可能性も出てくる。スポーツイベントは開催地域に経済効果をもたらすだけでなく、試合観戦は地元住民の幸福感を増すとの調査結果もある。何よりも重要なことは、スポーツが孤立を防ぎ、新たな人と人とのつながりを生み出せるかどうかだ。改正法が住民同士の絆を強め、地域を活性化できるか注目したい。

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