トップオピニオンメディアウォッチ中国の生成AI情報抜き取りの恐れ 小野寺氏の発言報じる「自由民主」

中国の生成AI情報抜き取りの恐れ 小野寺氏の発言報じる「自由民主」

生成AI(人工知能)の基盤モデルを展開する中国企業ディープシークが1月20日に公開した最新モデル「R1」が、生成AI「チャットGPT」の開発企業である米オープンAIの先端モデルと同程度の性能を10分の1以下のコストで実現したとして注目を集めている。株式市場では米国製AIの優位性が揺らぐとの懸念が強まり、AIや半導体関連の銘柄が下落する「ディープシークショック」に襲われた。

ところが日本政府の個人情報保護委員会は2月3日、ディープシークを利用すると中国所在のサーバーに個人情報などのデータが保存され、中国の法令が適用されるとして注意を促した。中国では公安機関が企業などから個人情報を含む情報提供を受けることができるため、情報を抜き取られることが懸念される。

ディープシークを巡っては、台湾では既に公的機関で使うことを原則禁止している。韓国ではアプリの新規ダウンロードを遮断。米下院では政府端末で使用することを禁じる法案が提出された。日本国内でも業務での利用を禁じる自治体が現れている。

これに対し、日本政府の動きが鈍いことは気掛かりだ。林芳正官房長官は政府機関に対し「リスクを十分認識し、適切に判断するように」と注意喚起したというが、各国と同様に使用禁止に踏み切るべきではないか。

自民党機関紙「自由民主」2月18日号は3面で、小野寺五典政調会長が1月31日の衆院予算委員会でディープシークを「ダウンロードしないで」と呼び掛けたことを報じている。

小野寺氏はディープシークに沖縄県・尖閣諸島は日本の領土かと聞いたところ「尖閣は中国固有の領土」という答えが返ってきたことを紹介。ちなみに、チャットGPTの回答は「国際法上日本の領有権は確立し、日本の領土」だったことを明かした。

また、学生らの民主化運動が武力弾圧された1989年の天安門事件や2014年の香港民主化デモ「雨傘運動」については回答がなかったという。小野寺氏は「当たり前のことをねじ曲げてしまうディープシークをダウンロードすることはやめていただきたい」と訴えた。

こうした事例を踏まえれば、ディープシークは中国共産党政権の意向に沿って情報の操作や隠蔽(いんぺい)を行っていると判断せざるを得ない。(宮田陽一郎)

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