トップオピニオンメディアウォッチ憲法・国内超え国連舞台にポリコレ推進狙い自由貶める朝日・左派新聞

憲法・国内超え国連舞台にポリコレ推進狙い自由貶める朝日・左派新聞

米「常識革命」で後退

かつて国際共産主義は自由陣営の「弱い輪」を狙って蠢動(しゅんどう)したが、どうやら過激LGBTなどの「ポリコレ」(ポリティカル・コレクトネス=人種や性別などあらゆる差別の撤廃運動)も同様のようだ。トランプ米大統領の「常識革命」によって米国で後退した分、日本を標的に攻勢を掛けてきた。それも国連を足場にしてである。

国連の女性差別撤廃委員会が昨秋、日本に発した「勧告」がそれだ。夫婦同姓を定める民法の改正(選択的夫婦別姓導入)や男系男子が皇位を継承することを定める皇室典範の改正などを勧告したもので、筆者には国柄や歴史、伝統を葬り去ろうとする「文化侵略」のように思えた。それで勝手に「ポリコレ勧告」と名付けている。

ポリコレ勧告の“凄(すさ)まじさ”は日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」(2024年11月2日付)を読めば一目瞭然だ。女性差別撤廃委を動かしてきたのは左翼女性活動家集団である。「赤旗」によれば、「勧告でとくに強調されたのは選択的夫婦別姓制度」で、一般社団法人あすには代表理事の井田奈穂氏は「最大限の強い言葉で、『法改正せよ』と日本政府に求めてくれた」と絶賛。

ジョイセフと名乗る団体の草野洋美氏は「堕胎罪の廃止、安全な中絶や避妊法への障壁撤廃、すべての人たちのセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(SRHR)、子どもを含むLGBTQ+の人たちを差別から守る法整備を求め、『ほぼ要望通りに勧告が出された』と報告しました」と勝ち誇っている。勧告は「性逸脱社会」を標榜(ひょうぼう)する内容で、米国社会を分断したポリコレそのものだ。

皇位継承問題も批判

この勧告を「赤旗」並みに喜々として報じたのが左派紙で、ことに朝日は「女性の人権に関する『世界の憲法』に照らしたとき、日本のジェンダー平等政策は十分なのか」(同年10月31日付)と、勧告を「世界の憲法」にまで高めてみせた。

政府は1月、「皇位継承の在り方は国家の基本に関わる事項」として抗議し記述の削除を要求したが、委員会が応じなかったので国連人権高等弁務官事務所に対する任意拠出金の用途から同委員会を除外することを決めた。(各紙1月30日付)

すると朝日は「国連中心主義」を持ち出した。31日付社説は「国連機関拠出 女性委除外は筋が違う」とし、「意に沿わないからといって、拠出金を使わせないというのは、国連中心主義を外交の原則のひとつに掲げてきた日本政府への信頼を損ねる」と噛(か)みつき、2月1日付では「国連委へ対抗 募る懸念 日本外交に『おまえもか、と』 女性の人権『意思欠如公表』」と政府を批判した。

朝日が狼煙(のろし)を上げると、毎日は「国連を重視してきた日本外交の姿勢と矛盾する振る舞い」(2月7日付社説)と呼応し、東京はさらに過激に「(男系男子の皇位継承論議が)同委員会には、女性に差別的と映ったとしても不思議はない」と勧告に同調し、「(拠出金除外は)国連重視の外交姿勢とも整合しない」(2月8日付社説)と続いた。左派紙は国連中心主義、国連重視を掲げて「ポリコレ勧告」を後押ししているのである。

国の施策ねじ伏せる

だが、国連は「赤い国連」の異名を持つ。1975年、世界のフェミニスト(女権拡大主義者)らが結集してメキシコで第1回世界女性会議(メキシコ会議)を開催し、これを起点に「フェミニストが行政に強力に働きかける極めて『能率的』なシステムを構築した」。(『“ポスト”フェミニズム』海妻径子氏=作品社)

それが79年の女子差別撤廃条約で、国連の勧告などを通じて国の施策をねじ伏せる「上からの革命」の道を開いた。これこそ自由諸国を貶(おとし)めるポリコレの「能率的なシステム」なのである。

朝日は日本国憲法に飽き足らず、これを「世界の憲法」と位置付ける正真正銘のポリコレ新聞なのである。

(増 記代司)

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