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「能動的サイバー防御」有識者会議設置 議論開始も自公に温度差

ハッキングのイメージ(Image by Robinraj Premchand from Pixabay)
ハッキングのイメージ(Image by Robinraj Premchand from Pixabay)

丁寧な説明で理解得よ

サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向け、政府は7日、有識者会議の議論をスタートさせた。先月から党内議論を本格化させた自民党は、機関紙「自由民主」の6月25日号3面に政府からの報告と議論の様子を大きく掲載。見出しでは「サイバー安保は国民生活に直結」と強調した。

一方、公明党は日刊機関紙「公明新聞」の19日付2面に、政府から報告を受け党内議論を開始した旨を小さく掲載しただけだった。ここ最近の自公の安全保障政策については、国際共同開発した防衛装備品の第三国輸出を巡る協議が難航するなどスタンスの違いが浮き彫りになっているが、能動的サイバー防御に関しても現時点では温度差が感じられる。

2022年末に改定された国家安全保障戦略には、能動的サイバー防御導入へ「法制度の整備、運用の強化を図る」と明記されたものの、議論が進まず先の通常国会では関連法案の提出が見送られた。国家によるサイバー攻撃は既に現実になっており、日本もいつターゲットになってもおかしくない。当然、早急な対応が必要だ。

22年のロシアによるウクライナ侵攻では武力攻撃が始まるより前にウクライナの重要インフラにサイバー攻撃が仕掛けられた。もっと言えば14年にロシアがクリミア半島を一方的に併合した際にも武力攻撃とサイバー攻撃を組み合わせた「ハイブリッド戦争」が行われた。ウクライナはクリミア併合を教訓にサイバー攻撃への対策を大幅に強化していた結果、侵攻前のサイバー攻撃で壊滅的な被害を出す事態を避けられたと言われている。

制度の導入に当たって懸念されているのは憲法21条が保障する「通信の秘密」との兼ね合いだ。能動的サイバー防御は、攻撃の予兆を捉え、相手のサーバーに侵入するなどして被害を防ぐ。そのため民間事業者からの通信記録の提供が必要になるが、その範囲や管理については国民に不安を与えず、制度の必要性について理解を得られるよう丁寧な説明が必要だ。

政府の有識者会議は早ければ秋の臨時国会への法案提出を目指し、自民も早期導入を主張している。公明は通信の秘密を重視し、党の意見集約の時期について明言せず「慎重な議論も必要になる」(上田勇政調会長代理)との認識を示した。防衛装備品を巡る与党協議の二の舞いは避けてほしい。

(亀井 玲那)

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