「SHEIN」「TEMU」 改正法案を解説

安全確保に大きな意義

海外では新興サイトに警戒感

政府が今国会での成立を目指す法案の一つに、消費生活用製品安全法等改正案がある。日本向けに製品を販売する海外のネット通販事業者に、対日本窓口として法的責任を負う「国内管理人」を設置することなどを求めるもので、責任の所在を明確化することで安全基準を満たさない製品によるトラブルを防ぐ狙いがある。

自民党機関紙「自由民主」や公明党機関紙「公明新聞」はこの法案について解説する記事を載せている。「自由民主」5月28日号は3面で、「海外から直接販売される製品の安全確保や子供用の製品による事故の未然防止を通じ、国内の消費者が製品を安全に使用できる環境を整備する」と法整備の意義を説明する。

「公明新聞」は7日付3面に「海外ネット通販 安全対策強化へ」の見出しで法案のポイントを解説、この問題に関する経済産業省の検討会で委員を務める早川吉尚立教大法学部教授のコメントを掲載した。

早川氏は、海外事業者が国内の輸入業者を経ずにネット通販を利用して直接日本の消費者にアクセスできるようになったことで「危険な製品を販売し、トラブルが発生しても連絡がつかないケースが増えてきた」と背景を説明。「海外の事業者にも法規制の網を広げる改正案は画期的で、大きな意義がある」と語った。

今回の法整備で主に想定されているのは、アマゾンや楽天のようなオンラインモールを通じて製品を販売する事業者だが、近年存在感を増しているのが中国発の新興通販サイトだ。

アパレルや雑貨をメインに扱い流行のデザインを徹底した低価格で販売することから、日本でも若者を中心に高い人気を誇っている。米国では利用者数がアマゾンに迫る勢いだという。

これらのサイトに対し海外では警戒感が強まっている。米国では中国発の「SHEIN(シーイン)」と「Temu(テム)」に対し新疆ウイグル自治区の強制労働に関連して連邦議会が名指しで批判。韓国・ソウル市は、製品から発がんリスクや生殖機能に影響を与える恐れのある有害物質が確認されたと発表した。

日本でもカジュアル衣料品大手「ユニクロ」が、模倣品を販売したとしてシーインを提訴しているほか、SNS上ではオリジナルのイラストを商品に無断使用されたといった被害が複数報告されている。

日本は現時点でこういった中国発の通販サイトに対する見解を示していない。今回の法整備を機に、何らかの動きが見られるのか注目したい。

(亀井 玲那)

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