【政党メディアウォッチ】「憲法記念日」各紙の特集

自民は熱意少なく、赤旗は大展開

5月3日は77回目の憲法記念日だった。各党がこの日に合わせて談話を発表し、街頭演説を行ったほか、3日以降に発行された一部の党機関紙では特集も組まれた。

自民党の「自由民主」は5月7・14日合併号の2面で、岸田文雄首相が改憲派の集会にビデオメッセージを寄せたことや、党憲法改正実現本部の会合について取り上げた。ビデオメッセージの中では、現行憲法について「時代にそぐわない部分、不足している部分については果断に見直しを行っていかなければならない」とした上で、「いたずらに議論を引き延ばし、選択肢の提示すら行わないということになれば、責任の放棄を言われてもやむを得ない」と主張した。

岸田氏は2021年の党総裁選で、任期中の改憲実現を目指すと明言し、他の候補より一歩踏み込んだ決意を示した。支持率が低迷し、岸田政権と自民に厳しい目が向けられている今も、この決意に変わりはないと重ねてアピールしている。ただ、自民の憲法審査会の運営も及び腰な姿勢が目立つ。野党からも「保守層をつなぎとめるための『やるやる詐欺』」(国民民主党・玉木雄一郎代表)と言われる始末だ。

自由民主の紙面だけを見ても、合併号という事情はあるかもしれないが、昨年は2面の全面を憲法関連の記事で埋め、「今こそ改正を!」など力強さのある見出しを付けていたのに対し、今年は紙面の3分の1ほどの大きさの記事が右下に1本のみ。見出しも「国会論議と世論醸成を推進」とおとなしく、熱意は感じられない。

「守る」強調する公明

公明党の日刊機関紙「公明新聞」3日付では1面の全面を使って憲法記念日を前に各地で行われた街頭演説の様子を載せた。見出しは「人権を守る闘い貫く」「平和創出『法の支配で』」などで、主に憲法が掲げる「国民主権」「基本的人権の尊重」「恒久平和主義」の理念の重要性を強調するものだった。憲法改正への言及は演説場所によって濃淡があったが、紙面で見出しになることはなかった。

翌4日の紙面も、3日に行われた街頭演説と、与野党幹部が出演したNHK番組「憲法記念日特集」で北側一雄副代表が発言した内容を大きく取り上げた。北側氏は党内でも特に改憲に前向きな議員の一人として知られるが、番組では党の慎重姿勢を反映してか控えめな発言が目立った。記事の見出しは「国民の権利、自由を守る」「緊急時の国会機能維持」「政府は同性婚の制度検討を」などで、各地の街頭演説を伝える記事でも「3原則堅持」となっている。「改憲勢力」に数えられることが多い公明だが、やはり支持者には平和憲法を守る姿勢をアピールするに尽きるようだ。

共産党機関紙「しんぶん赤旗」は憲法記念日に合わせて識者インタビューを複数掲載するなど、各機関紙の中で最も力を入れた紙面構成を見せた。4日付1面では「戦争させぬ 憲法こそ力」の大見出しの下、憲法記念日に行われた護憲派の集会をトップで伝えたほか、「憲法記念日特集」に出演した山添拓政策委員長の発言も「裏金議員が改憲語るな」と大きく取り上げた。同日の2、4、5、11面にも憲法に関する記事を展開し、インタビューは5日にも続いた。

各機関紙は発行頻度もページ数も編集方針も異なるため一概に比較できるものではないが、憲法記念日とそれに関する記事から受ける印象では、赤旗の熱意がすさまじく、自民の本気が疑われるのも仕方ないだろう。

(亀井 玲那)

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