“SNS感染”で手術増える 「トランスジェンダー」の悲劇

活動家が「不都合な真実」を抹殺

出版社KADOKAWAが翻訳刊行を予定しながら、激しい妨害活動を受けて出版中止に追い込まれた本(原題『Irreversible Damage』(不可逆的なダメージ))が4月、保守系の産経新聞出版から出版された。

邦題『トランスジェンダーになりたい少女たち』は、米国のジャーナリストが「性別違和」を訴える少女たちや家族を取材して書いたノンフィクション。性別適合手術を受けたが、実際はSNSなどの煽(あお)りを受け性別違和と思い込んだもので、回復不可能なダメージを受けた悲劇を紹介している。

月刊誌6月号では、保守論壇がすべてこの本の出版について論考を掲載した。例えば、「正論」には作家、内藤陽介の論考「ヘイト本ならぬ『誤った性』の症例集」がある。「Hanada」は元参議院議員、松浦大悟の「『トランスジェンダーになりたい少女たち』はヘイト本ではない!」を載せている。「WiLL」も対談や鼎談(ていだん)の中で、この本の出版を紹介している。

昨年12月、KADOKAWAが出版しようとした時の本の邦題は『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』。このタイトルが差別を助長してしまうというのが、出版中止の弁明だった。しかし、実情は違う。左翼や過激なLGBT活動家たちによる激しい妨害活動に屈したのだ。

産経新聞出版や書店にも「放火」の予告があったとして、同社は警視庁に被害届を出したことを明らかにしている。

この本の出版を巡ってはその内容とともに、この出版の妨害が大きくクローズアップされた。内藤はトランスジェンダーやフェミニズムの過激な活動家や左翼団体は「本書の存在そのものを社会的に抹殺しようと躍起になってきた」と強調。松浦は大手の書店員たちがKADOKAWAに妨害工作を仕掛けたとしながら、その理由は「この本には『トランスジェンダーの不都合な真実』が書かれているからだ」と喝破する。つまり、ヘイト本ではなく、科学的なデータに基づいた事実が書かれた本というわけだ。

左派論壇は無視を決め込み、この本について書いていない。松浦は、活動家が無視するのは「ノーディベート」と呼ばれる戦略からだという。しかし、本はノンフィクション部門でベストセラーになっている。

では、その不都合な真実とは何か。かつては「性同一性障害」と言われた「性別違和」は本当はほんのわずかだが、過激なLGBT教育やSNSのインフルエンサーによる扇動などによって「社会的伝染」(松浦)が広がり、ジェンダー・クリニックを訪れる子供(そのほとんどが少女)が過去10年間で“四四〇〇パーセント増加”。「投薬や外科手術が、結果的に、若者たちの心身に取り返しのつかない傷を与えている」(内藤)のだ。

日本では、未成年者は性別適合手術はできない上、欧米のような“トランスジェンダー・ブーム”は起きていない。しかし、1年前、LGBT理解増進法が成立したのは、欧米の後を追ってのことだった。同法の施行により、過激なLGBT教育が全国的に広がる懸念が高まるとともに、SNSの悪影響は欧米と同じだ。

「トランスジェンダー」と思い込んだ少女たちの悲劇を防ぐため、そして日本の出版の自由を守るためにも、医学的なデータに裏付けられたトンランスジェンダーの不都合な真実を記した本について論壇はもっと取り扱うべきである。(敬称略)

(森田 清策)

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