政府の「説明不足」批判 公明新聞 防衛装備品

陸上自衛隊のV-22 オスプレイ (2022年11月撮影 東京・神津島)
陸上自衛隊のV-22 オスプレイ (2022年11月撮影)

日英伊防衛相の再会談迫る

防衛装備品の第三国への輸出を巡る自公協議が続いている。公明党機関紙「公明新聞」は2月16日付1面に「国民理解へ努力が重要」「政府は方針転換の説明を」の見出しで山口那津男代表の「力説」を載せた。「力説」は記事内に登場する表現で、見出しにも取ってあることから公明の強気な姿勢がうかがえる。

山口氏が強調したのは、日本、英国、イタリアの3国で次期戦闘機を共同開発することを決めた2022年末時点では「完成品の第三国輸出はしないという前提」だったということだ。その上で「輸出する方向にどう変わっていったのか、政府の説明が十分になされておらず、公明党は国民の理解を求める必要があると伝えてきた」と訴えた。

現在、防衛装備品輸出に関する協議の焦点は、他国と共同開発した装備品の第三国輸出に絞られている。もともと実務者協議は、22年末に改定した国家安全保障戦略に防衛装備移転三原則やその運用指針の見直しが明記されたことを受けて昨年4月から始まった。当初は、安全保障面で協力関係がある国を対象に用途が「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」のいずれかに該当すれば輸出可能とするルールのうち「5類型」の見直しについても議論されていたが、結局自公で意見が一致せず、結論が出なかった。

公明新聞は20日付3面でも「防衛装備移転の新たな枠組み」「改定3原則・運用指針の意義と課題」などの見出しで、昨年12月に改訂された防衛装備移転三原則とその運用指針について解説している。この中で、国際共同開発した装備品の輸出は「この改定で明記されなかった課題」であるとし、山口氏の「説明が十分なされていない。国民にも届いていない」との言葉を改めて紹介した。冷戦時代の「武器輸出三原則」から14年にできた「防衛装備移転三原則」までの流れを整理しつつ、今後両党の政調会長レベルで議論が行われることを報告した。

政府は共同開発した装備品の輸出について、今月末までに結論を出すよう求めている。また英国のロングボトム駐日大使は共同通信のインタビューに「日本が防衛装備品の輸出ルールの変更を近く実現することが重要だ」と語り、第三国への輸出に意欲的な英国、イタリアと足並みをそろえるよう要求した。

日本の輸出ルール変更に結論が出ようが出まいが、日英伊の共同開発計画は進んでいく。昨年12月に行われた防衛相会談では開発を指揮する機関を設立する条約に署名した。本部を英国に置き、初代トップは日本人が務める。3月には交渉が本格化する見込みで、再び日英伊防衛相が会談する方向でも調整しているという。

公明は政府の求めに対して慎重な姿勢を崩していないが、21日に自民の渡海紀三朗、公明の高木陽介両政調会長が協議をスタートし、今月末までの結論を目指す方針を確認した。

日本にとって米国以外と行う共同開発は初めてだ。既に複数の国が計画に関心を示していると報じられており、輸出が可能になれば、理念や価値観を同じくする友好国との関係を強化する重要な機会になる。それだけでなく、供給を増やすことができればコストダウンやわが国の防衛産業の発展にもつながることが期待される。

当面は日英伊で開発する次期戦闘機に限って輸出を認めるといった案も取り沙汰されているが、特に安全保障関連政策においては原則禁止されている状態と原則許可されている状態とでは大きく意味合いが異なる。将来に先送りせずしっかりと結論を出してもらいたい。

(亀井 玲那)

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