盛山文科相と旧統一教会の「政策協定」報道で朝日の尻馬に乗せられる産経

衆院予算委員会で答弁する盛山正仁文部科学相=6日午前、国会内
衆院予算委員会で答弁する盛山正仁文部科学相=6日午前、国会内

憲法が保障する活動

又候(またぞろ)。この言葉が思わず浮かんだ。朝日6日付朝刊の1面トップ「旧統一教会系から選挙支援 盛山文科相、21年衆院選 関係者証言 党に申告なし」なる報道である。社会面には「盛山氏選挙、信者の『応援』 『電話作戦、友好団体指示で1日数百件』」と展開していた。

翌7日付1面トップは「盛山氏、教団側と『政策協定』 推薦確認書に署名 関係者証言」。社説では「盛山氏と教団 文科相の任に堪えない」と首を切れと迫った。毎日は遅れてならじと7日付1面で朝日の焼き直し記事と社説を掲載、それに釣られるように産経も9日付主張で「首相は更迭をためらうな」と唱えた。それで、またぞろの感がする。

選挙応援と政策協定、つまり政策を実現するための取り決めと応援。いずれも憲法が保障する政治活動で、法に反しない限り誰からも咎(とが)めを受けない。それが民主主義国の基本のキである。記事によれば、教団といっても友好団体の世界平和連合のことで、その選挙応援ぶりは半端ない。なるほど共産党や左翼勢力がつぶしたいわけだ。

政策協定は「憲法を改正し、安全保障体制を強化」「家庭教育支援法、青少年健全育成基本法の制定に取り組む」「LGBT問題、同性婚合法化は慎重に扱う」「日韓トンネル実現の推進」など。このうち改憲・安保強化・家庭教育支援法・青少年健全育成基本法はいずれも自民党が選挙公約や総合政策集(2022年版)に掲げる政策である。

協定は教団を利さず

LGBT・同性婚合法慎重論も保守派には違和感はない。日韓トンネルとて元来、日本側の構想だ(例えば1980年の大手建設会社「大林組」の日韓トンネル・プロジェクトチーム結成など)。

政策協定は改憲と安保強化、伝統的な日本を取り戻すことを求めている。そこにやましさはない。教団を利してもいない。選挙応援も合法、政策協定も問題なし。産経主張も「公職選挙法のルールに則って候補者が、業界団体や宗教団体をはじめとする各種団体から推薦や支援を受けるのは、ごく自然なことである。各種団体と政党や候補者が政策協定を結ぶのも公序良俗に反しない限り、とがめ立てすべきではない」と言う。正論だ。

ところが、産経は「最大の問題は、自民党が全議員を対象に旧統一教会との関わりを調査した一昨年9月の『点検』で、盛山氏が『関連団体の会合に出席して挨拶した』とだけ回答したことにある」と、“申告漏れ”を咎め文科相更迭を唱える。これは愚論だ。

自民党の派閥資金の還流を巡る「申告漏れ」は刑事罰を伴う犯罪であるが、教団を巡る自民党の「点検」は犯罪でも何でもない内輪の検査だ。岸田文雄首相が左翼勢力の「世論」に恐れをなして教団との決別を宣言した(一昨年8月31日)、根拠はただそれだけだ。それを産経は金科玉条とするのは頂けない。

左翼の保守潰し加担

この問題は『月刊HANADA』編集長の花田紀凱氏が産経11日付「週刊誌ウォッチング」で述べた論評に尽きる。週刊新潮の「『岸田内閣』と『旧統一教会』の闇」(2月15日号)を読んで「心底がっかりした」とし一昨年、統一教会報道が吹き荒れた時、伊木隆司米子市長が臆せずこう言っていたとその発言を紹介する。

「現時点で、国政や警察で何らかの措置が取られていない以上、集会出席は問題ない」「政策が一致すれば協力することにやぶさかでない」

これが正論だ。花田氏は「『新潮』、新聞の尻馬に乗ってどうする!」と一喝している。産経の主張を読んで筆者も心底がっかりした。花田氏流に言えば、「産経、朝日の尻馬に乗ってどうする!」。いや、「尻馬に乗せられてどうする!」。こと教団問題では産経は左翼の保守つぶしに加担している。改憲にしろ日本を取り戻すにしろ、半端ない人々がいない限りおぼつかない。これは自民党の問題ではない。産経さん、何を勘違いしているのか。(増 記代司)

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