「自由民主」首相の改憲意欲に疑問符 「立憲民主」外交・安保に触れない立民

新年の紙面 各党の特集

新年を迎え、各政党機関紙は党幹部らの今年の抱負や特に力を入れたい政策の特集を掲載している。

自民党機関紙「自由民主」は1面に岸田文雄首相(党総裁)、麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長のあいさつを載せた。岸田氏は今年の干支(えと)「甲辰(きのえたつ)」になぞらえて、「新たな気持ちで山積する課題に立ち向かい、内外のさまざまな分野で、日本を力強く発展させていく年にしたい」と決意を述べている。経済、外交の順に抱負を語り、人口減少への対応や憲法改正に触れ、最後に政治資金問題について「自民党の先頭に立って国民の信頼回復に全力を尽くす決意」と表明した。

自由民主が新年最初の紙面で大きく取り上げたのは、子育て政策、安全保障政策、大阪万博の三つだ。2面で今後実施される予定の子育て支援策を解説し、3面では「防衛力の抜本的強化実現へ」の見出しで活発化する周辺国の軍事活動と、それに対応するための政府と自衛隊の備えについて書いている。2025年に開催予定の大阪万博は見開きのカラーページで特集されている。

岸田氏は1月4日の年頭記者会見で、「総裁任期中に憲法改正を実現したいとの思いに変わりはない」と強調した。任期は9月までなので、本気で改憲を実現するなら通常国会で改正案を条文化し、国民投票のための国会発議ができる段階まで持っていく必要がある。時間的猶予は全くないといっていいが、改憲に関する記事は一つもなく、あいさつの中でも「憲法改正」という単語を挙げているだけで具体的な言及はない。これでは本気度に疑問符が付くのも仕方ない。

公明党機関紙「公明新聞」は、「『大衆とともに』輝く未来へ」と題する山口那津男代表と政治学者・姜尚中氏の新春対談が1面を飾った。公明にとって今年は結党60年を迎える年だ。昨年11月に死去した党創設者の池田大作創価学会名誉会長が掲げた「大衆とともに」の精神を「永遠の指針として胸に刻み、今年も国民の信頼・期待に応えぬく政治に全力で取り組みます」(山口氏)と語っている。

このほか、党が取り組む課題として「核廃絶」と「気候危機」の二つを紙面で大きく取り上げた。特に核廃絶は自公で温度差が目立つ分野でもある。公明としては結党60年の節目に、核兵器禁止条約の批准に向けた動きを加速させたい強い思いがあるだろう。また「『清潔な政治』が、いや増して求められる今こそ、公明党の真価を発揮すべき時だ」(石井啓一幹事長)など、政治改革で存在感を示す決意も多く見られた。

立憲民主党機関紙「立憲民主」は毎月第3金曜日発行ということもあって、新年最初の紙面は能登半島地震への対応や被災地支援に関する内容が大きな割合を占めた。新年の特集としては、泉健太代表と昨年初当選した20代の地方議員2人との対談、泉氏の年頭記者会見の内容を掲載した。しかし野党第1党にもかかわらず、外交や安全保障など政権を担えば避けて通れないはずの課題に全く触れていない。これでは国のかじ取りをどうしたいかというビジョンが見えてこない。残念だ。

その点においては、共産党機関紙「しんぶん赤旗」の方が世界に目が向いていると言えるかもしれない。1月1日付の紙面は、志位和夫委員長(当時)が昨年末のインドネシア、ラオス、ベトナムの東南アジア3カ国訪問について語る内容で、1面を含む5〓にわたって展開する大特集だ。このほか、今年の政局展望に関する記事の中で、赤旗の部数拡大に対する決意が記されている。赤旗購読を巡っては、地方自治体で職員が共産党議員から強く勧誘され断れず購読に至るなどのケースが問題になっており、引き続き注視する必要がある。

(亀井 玲那)

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