韓国「韓東勲氏」 評論家10人が多方面から分析

2023年12月26日、韓国与党「国民のカ」の非常対策委員長に就任し、ソウルで記者会見する韓東勲氏 ( E P A時事 )
2023年12月26日、韓国与党「国民のカ」の非常対策委員長に就任し、ソウルで記者会見する韓東勲氏 ( E P A時事 )

“政治家・韓東勲”とは

韓東勲(ハンドンフン)―。日本から見ていて韓国政界にいきなり登場した名前である。与党国民の力の非常対策委員長に就任した。金起炫(キムギヒョン)代表の辞意を受け、党内のごたごたをまとめつつ、4月の総選挙の陣頭に立つことになる。

法務長官を辞め、これから国会に議席を得るべく準備に入るところだが、早くも韓国ギャラップが行った「次期国家指導者選好度」調査では野党の李在明代表(22%)を抑えて韓氏がトップ(24%)に立った。

こうした数字を見ると、韓国ではまだ国会議員でもなく、政治経験すらない、さらには「身体検査」も済んでいない人物に国の将来を託してもいいと即断するのかとの感を強くする。

議院内閣制の日本と大統領制の韓国との比較はあまり意味はないとはいえ、当選回数を重ね、閣僚や党役員を経験して、いわば「永田町での経験と実績を積んだ」上で「大権」に挑戦するスタイルを見慣れた目からするとだいぶ違う。

しかし韓国でも「韓東勲とは何者だ」という空気はあるようで、月刊中央(1月号)はこの急浮上した与党の指導者について「10人の政治評論家に聞く」という特集を組み、前後左右上下から韓氏を眺め回している。

韓氏に求められているのは与党支持の拡大である。国会は与党が少数、野党が多数というねじれ構造となっているが、何を置いてもまず総選挙でこれを解消することが第一命題だ。

ところが、韓国では与党、野党の支持がそれぞれ30%台で固定しており、選挙となるとこれ以外の30%ほどとみられる支持政党なし、浮動票をいかに捕まえるかが勝敗の分かれ目となる。

評論家たちも韓氏が中道層に支持を広げることが課題だと指摘する。評論家パク・サンビョン氏は「韓氏は若い層と女性層を全部抱くことができる」といささか過大な評価をし、さらに「今回の総選挙で当選すれば党代表に挑戦するだろうし、代表になれば、それを踏み台として大統領選に臨む」と早くも先の先まで予測している。

だが、今回は、与野党とも分裂含みで、新党立ち上げの動きもある。与野党に与(くみ)しない「第三地帯」と言われる政治勢力も侮れない力を持ちそうで、彼らが中間層を取り込んでいけば、与党の支持拡大はそう簡単な話ではない。

韓氏がどの選挙区で出るかも注目を集める。与党の票田から出て楽々と当選するか、伝統的な与野激戦区で勝ち上がってくるのかで、党内のみならず政界での重みが違う。だが“選挙の顔”として陣頭指揮を執ろうとすれば、比例代表で当選を確実にしておいて、全国を飛び回るしかない。

「政権審判論」で押してくる野党を受け止め、尹錫悦政権の「左派政治の清算」を推し進めようとすれば、与党が多数を獲得してねじれを解消しなければならない。これからメディアの「過酷な検証」を受けることになるが、ヨイドを泳ぎ渡って行けるのか、韓氏の動向に注目してみる。

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