功を焦ったか、松葉杖で被災地入りした山本太郎氏、Xで大炎上

山本太郎れいわ新選組代表のXでの投稿(2024年1月5日)

勇気ある行動なのか

石川県能登半島で大地震が発生してから、10日が過ぎた。この間、犠牲者数が日に日に増える一方、難を逃れた地元住民たちは避難所で、食事も十分取れず、また不安で夜も眠れずに過ごした。

崖崩れなどで、物資やけが人の輸送ルートが限定されていたことから、政府も地元自治体も不要不急の被災地入りを控えるよう呼び掛ける中、SNSでは被災地入りした政治家の投稿が“大炎上劇”を引き起こした。

れいわ新選組代表の山本太郎。5日、X(旧ツイッター)で「現場のNPOから直接話を聞くため、本日、能登半島は能登町に」と被災地入りを報告。移動にはレンタカーを使い、「彼らの晩ごはんの炊き出しに誘われ凍える寒さの中、カレー」を食べ、車中で眠ったと投稿した。

2日後にポスト(投稿)された写真を見ると、山本は松葉づえをついている。年末に足にけがを負ったようで、そんな不自由な体で混乱する被災地入りを決行した姿を公開するのは、犠牲もいとわぬ勇気ある行動として称賛されるものなのか、それとも集票目当ての“政治パフォーマンス”なのか。

「お涙頂戴にすぎない」

案の定、賛否両論で炎上し投稿は「7760万表示」を記録した。「圧巻のパフォーマンス。被災者の方々からしたら、迷惑この上ない行為」「まじで足手まといじゃん」、さらには泥まみれの道路を瓦礫(がれき)の山を見ながら松葉づえで歩く写真に「山本太郎氏は『政治役者』」とコメントするものもあった。

その一方で、「自身も松葉づえをつきながら満身創痍、命懸けで被災地を調査してくださりありがとうございました。被災地にとり残された人々にとってどんなに心強かった事だろう。生きる希望を持てた事だろう」と、最大級の賛辞を送る支持者もいたが、非難の声が圧倒的に多い。

8日には、日本維新の会の参院議員、音喜多駿がユーチューブで参戦。「私はこの投稿を見た時、膝から崩れ落ちた。もう何やってんだと。国会議員がやるべきことじゃないだろう」と、山本の行動を功を焦った、お涙頂戴のエピソードにすぎないと切って捨てた。

SNS時代になって、被災地からの情報発信が容易になっている。そこで、政治家が現地入りし、支援物資を配るなどの写真・動画を発信することがもてはやされるようになれば、模倣犯が多く出現し、救援活動に深刻な影響を及ぼすと警告した。

のんきな投稿で物議

Xへのポストで物議を醸しているのは山本だけではない。内閣府政務官の神田潤一(自民党の衆院議員)。大地震発生から約9時間後にまず「岸田総理もスピード感を持って矢継ぎ早の対応を指示しています。僕らの同期も、担当政務官を中心に動き始めています」と投稿したところまでは良かったが、この後が軽率だった。

神田潤一衆議院議員のXでの投稿(2024年1月2日)

同日午後2時前に「今日は完全オフ 箱根駅伝をラジオで聞きながら10・8キロメートルラン 二日前に降った雪を踏みしめながら」と、のんきなことを書き込んだ。

防災担当でないし、本人は激務をこなすための体力づくりのつもりだったのかもしれないが、安否不明者が大勢いる中だから、こちらも炎上。

「一番働かなくちゃいけない日だろう! 岸田内閣どうなっている!!……こういう時にどう動くかで、その人の真の姿が見えてくる」とひんしゅくを買った。

「3人もいる政務官のうち一人がオフで休んだところで十分回る。支障がない以上、プライベートにまで自粛を求めるのは気持ち悪い」と擁護する投稿もあったが、少数派。実質は批判されることでなくても、悲しみと不安の中にある被災者の心を思えば、要らざる投稿だった。

れいわ新選組は少数政党。松葉づえで被災地入りした山本にとって非難は想定内で、熱心な支持者向けのパフォーマンスだったろう。一方、神田は深く考えることなく、ただ日常の姿を知らせようと、安易にポストしてしまったのではないか。気軽に投稿できるXは、ある意味、政治家の“真贋(しんがん)”を探るのに有効なツールになっている。(敬称略)

(森田清策)

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