世界的な“選挙イヤー”の来年の日本経済と国際情勢を予測する3誌

日経平均株価は高め

2023年の国内外の情勢を振り返ってみれば、国外では終わる見通しの立たないウクライナ戦争に加え、ハマスとイスラエルの軍事衝突が勃発し、“戦争”の一年を印象付けた。一方、国内を見れば、支持率が急降下し、国民から見放された感のある岸田内閣の中で、物価上昇率の高止まりが続き国民生活に閉塞(へいそく)感といら立ちが募っている。果たして24年は明るい材料があるのだろうか。

経済誌3誌はこの時期になると、毎年恒例の来年の動向を予測する。週刊東洋経済(23年12月23・30日合併号)は「2024年大予測~世界と日本の行方を超先取り&深掘り」と見出しを立てれば、週刊ダイヤモンド(同)は「2024総予測~世界が新次元へ!」と見出しを立てている。両誌とも経済分野に限らず社会・スポーツ界など幅広く全分野にまたがる。一方、週刊エコノミストは、経済分野に絞り「日本経済総予測2024」(12月19日号)、「世界経済総予測2024」(12月26日・1月2日合併号)と2週にわたって特集を組んでいる。

そこで、まず明るい材料を探ってみると、民間調査機関のエコノミストたちの予測によれば、日経平均株価は23年に比べると高めに設定されている。例えば、週刊ダイヤモンドは、8人のエコノミストを登場させているが、ほとんどのエコノミストは最高値を3万5500円以上と予想。中には4万2000円(広木隆・マネックス証券チーフストラテジスト)との予測もある。24年の株価が上昇トレンドに入る要因としては、「企業改革など日本株への再評価が高まっているが、2024年もこの傾向が続く。…インフレと賃金上昇の定着により、賃上げ↓業績拡大↓賃上げという健全なインフレサイクルへの転換が追い風だ」(同誌)を挙げるが、不安材料も当然ある。

米大統領選の影響大

来年は世界的な“選挙イヤー”、1月の台湾総統・立法委員選挙から始まり、ロシア大統領選挙(3月)、ウクライナ大統領選挙(3月)、韓国・インド総選挙(4月)、そして11月の米国大統領選挙と続く。それらの結果が中国の対台湾政策、また、ガザ問題やウクライナ・ロシア戦争の動向に影響を与えることは必至で、おのずと日本経済にも波及してくる。

国際政治の動向分析によく引っ張り出される国際政治学者のイアン・ブレマー氏は、東洋経済にも登場し、ウクライナとロシアの戦争終結の落としどころとしては、「米国とNATO(北大西洋条約機構)に加盟する米国の同盟国が、ウクライナが2年、3年先にNATOに加盟できるというタイムラインを提供することだ。換言すれば、これからの1~2年はウクライナに自衛できるほどの兵器を提供する。さらにウクライナがEU(欧州連合)に加盟できればウクライナ側、あるいは少なくとも西側諸国からは勝利と見なすことができる」と説明、来年11月の米大統領選においてトランプ氏が再選する可能性が大きいだけに、ウクライナ・ロシア情勢が大きく変わることが予想される。

中国の出方に警戒を

一方、アジアに目を向ければ依然として中国の覇権主義が脅威となる。中国経済が不動産不況によって沈滞化する中で台湾有事の可能性は低いとする意見も多いが、フランシス・フクヤマ米スタンフォード大学シニアフェローは「今後10年間、中国の経済成長率は0~3%にとどまる。多くのエコノミストが中国は米国を超える大国になることはないとみている。かといって中国が外交政策において抑制的になるとは限らない。むしろ、状況が本格的に悪化する前に相対的な強みを利用したいと考える可能性がある」(同誌)として中国の出方を警戒している。

ウクライナ戦争もハマスとイスラエルの軍事衝突も今のところ収束に向かう気配はない。中国は台湾併合を虎視耽々(たんたん)と狙っている実情を見れば、24年はこれまで以上に世界の動向に目が離せない一年になることは間違いない。

(湯朝 肇)

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