立憲・共産 選挙協力 「連携合意」に温度差

1面トップで伝えた赤旗

自民党の麻生太郎副総裁が立憲民主党と共産党との共闘を「立憲共産党」と批判したのは2年前の10月22日だった。衆院選の応援演説中に飛び出した発言で、SNS等でも大きな話題を呼び、有権者に立民と共産の協力関係を強烈に印象付けた。これがその後の立民惨敗・自民大勝の一因となったとの分析まである。

「立憲共産党」が有権者の投票行動にどう影響したか実際のところは分からないが、共闘が議席増につながらず失敗に終わったのは事実だ。当時の枝野幸男代表は惨敗の責任を取って辞任し、代表選を経て新代表となった泉健太氏は就任会見で共産との関係見直しを明言、その後も共闘の可能性を問われるたび否定してきた。

ところが泉氏は今年夏ごろから共産との選挙協力を否定しない姿勢を見せ始め、10月23日、両党は国会内で党首会談し、次期総選挙での連携で合意したと報じられた。共産党機関紙「しんぶん赤旗」はこの会談を1面トップで大々的に扱い、志位和夫委員長と泉氏が笑顔で握手する写真を大きく掲載した。また泉氏からの「与党の議席を最小化するため、連携と力合わせをしていきたい」との要請と、それに対する志位氏の「泉代表の表明を嬉しく思う」といった返答、これまで共闘を否定してきた泉氏の発言について「問題は解決された」とするコメントを引用し、“和解ムード”を演出した。

一方、立民の月刊機関紙「立憲民主」では共産との連携について特に何も触れられていない。選挙に向けて協力を決めたのなら小さくても何か記事があってよさそうだが、それどころか泉氏は会談から数日後の記者会見で「合意」との報道について「ミスリードなところがある」と述べ、党首会談自体についても「あいさつ回り」だったと主張した。しかし志位氏はその上で、「党首会談」で「合意」との見方を重ねて示し、両党の認識の違いと共闘への温度差が浮き彫りになった。

立民の態度には、同じく連合から支援を受ける国民民主党が強く反発した。「会談」翌日の24日、玉木雄一郎代表は立民と共産の接近を理由に、予定されていた泉氏との面会を拒否。さらに「このまま『立憲共産党』と言われるような状況を続けるなら、二大政党的な政権交代は消滅したと言わざるを得ない」と批判した。榛葉賀津也幹事長は「『立憲共産党』だという評価になってもおかしくない」とし、立民に説明を求めた。

連合の芳野友子会長も、立民と共産の関係には何度もくぎを刺している。芳野氏は泉氏と11月に会談し、10月の「合意」について「傘下の労働組合や地方組織から多くの不安が寄せられた」とした上で、共産党から支援を受ける候補者は推進しない考えを伝えた。

あいまいな態度を続ける立民だが、11月22日には共産の街頭演説に参加した次期衆院選公認候補に対し、党の結束を乱す行為に当たるとして幹事長注意を行うなど慎重な姿勢も示している。

立民は共産との共闘についてどのように考えているのか、いま一度はっきりと示すべきだ。就任会見から語ってきた共産と一線を引く姿勢は今も泉氏の中にあるのか。特に立民党内にはさまざまな考えがあるだろうが、トップがどんな信念を持っているのかを分かりやすく示さなければ、何をしても国民の理解は得られない。これは何よりも岸田政権の支持率低迷が示していることだ。

(亀井 玲那)

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