没落の危機にひんする巨大宗教の今を追う特集を組んだダイヤモンド

暗い部屋で祈る人物のイメージ(Image by Ri Butov from Pixabay)
暗い部屋で祈る人物のイメージ(Image by Ri Butov from Pixabay)

解散命令請求の影響

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令請求が出された。このタイミングで週刊ダイヤモンド(10月7・14日号)が「巨大宗教『連鎖没落』」の特集を組んでいる。40㌻に及ぶ大作で「民法の不法行為のみで法人格を剥奪されることになる」と今回の命令の特異性に注目しつつ、この事態を受けて「解散命令の影響や没落の危機にひんする巨大宗教の今を追った」ものだ。

旧統一教会問題について宗教界は一様に「自分たちは違う」としているが、どう見ても火の粉がかかることは避けられない。なぜなら岸田文雄首相は「民法の不法行為も入り得る」と宗教法人法の解釈を変えたからだ。

特集中の「宗教の『地下化』が始まる!」のコラムで「ノンフィクションライター・窪田順生」氏はこう分析する。「高額献金や霊感商法は旧統一教会に限った話ではない。どの宗教団体もたたけば埃が出る。つまり、どこかの宗教法人に狙いを定めて『被害者』を募り、全国各地で訴訟を提起すれば、旧統一教会のように解散命令請求に追い込むことができる、と国家が高らかに宣言したようなものなのだ」と。

岸田首相が踏み出した一歩はとてつもなく深刻な問題をはらんでいるというわけである。

さらに、同誌が目を向けるのはそれだけではない。今日「人々の価値観が変わる中で、旧来型の政治活動や布教スタイルから抜け出せない巨大宗教」の課題もあると指摘している。宗教団体の在り方そのものが転換期にきていると見ているのだ。

転換点迎えた公明党

同誌はパート1で「常勝の終焉」として巨大教団・創価学会を取り上げる。ここを支持母体とする公明党が転換点を迎えている。その転換点となるのが次の総選挙での関西圏。これまで“棲(す)み分け”をしてきた日本維新の会が公明の地盤に次々に候補者を立ててくるのだ。

迎え撃てばいいだけの話だが、現状を分析するとそうもいかない事情が明らかになってくる。公明党が年々得票数を落としてきているからだ。かつて「800万票」を超えるといわれた同党の得票がシミュレーションすると次の参院選(2025年)では626万票に減ると計算されたから危機感は募る。

減ってきた理由を同誌は“時代と環境の変化”だと分析する。「選挙活動に熱心な入信世代は高齢化した。地方ではまともに動ける活動家が減り、役職をこなせる人材が足りないという事態も起きている」と紹介。「あらゆる事業に黎明期・成長期・成熟期・衰退期が存在する『プロダクト・ライフサイクル』の理論」が創価学会、公明党にも適用され、現在は「衰退期」に入ったと分析している。

次の選挙で、関西圏で維新に議席を奪われ「『常勝関西』が終焉の日を迎えることになれば、没落を象徴する歴史が新たに刻まれることになる」と予言さえする。

パート2「巨大経済圏の瓦解」で創価学会の懐事情にも焦点を当てた。「数兆円規模といわれる巨大経済圏を形成し」ており、その中身として「①宗教活動(財務=お布施)、②聖教新聞・出版事業、③墓苑事業という三大収益源」を持つが、いずれも「減益もしくは赤字」になっているという。これも信者数の減少、活動人員の縮小が大きく、またコロナ禍も影響した。

この他、同誌は神社本庁を母体とする神道政治連盟や幸福の科学などの政治との関わり方、立正佼成会、生長の家、天理教、パーフェクトリバティー(PL)教団、ワールドメイトなどの課題も取り上げる。

教勢拡大続く真如苑

最後のパート3は「布教の限界」だ。どこも信者数を減らしている中で真如苑だけは教勢拡大を続けており、その「人気の秘密に迫る」ものだ。同教団の特徴として「活動に熱心な若年層の女性の比率が圧倒的に高く、複数の有名女性タレントも信者だと言われている」のだという。

旧統一教会問題をきっかけに「宗教」が人々の目に触れるようになった。宗教はあくまでも内面の問題だが、それが組織となるとさまざまな問題をはらんでくる。宗教界も社会も冷静に考えてみる時だ。(岩崎 哲)

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