高齢者世代の孤独や孤立等について論じるサンデー毎日、NW日本版

ひきこもり多い高齢

「中高年層におけるひきこもりの人は、推計で61万3000人」「初めてひきこもりになった年齢が…60~64歳が17%(でトップ)、」「要するに定年後、対人関係を好まず、あるいは作れず、ひきこもりになる人が一番多い」。ちなみに「若いうちにひきこもりになり、それがずっと続くというのはきわめて少数派だ」。

「疎外感というのは、仲間外れにされているという感覚だけでなく、素直に人に頼れない病理でもある」。疎外感から自殺に至る老人は少なくない。

そして次のように結論する。「高齢者というのは、たとえば配偶者を失ったとき、当初はかなりの寂しさにさいなまれるが、大部分のケースでは、それを脱却する。/実は、独居老人より家族と同居している高齢者のほうが自殺率が高いというデータがある。/独居の寂しさより、周囲に邪魔にされているかもしれないという不安や、周りに迷惑をかけているという罪悪感のほうが、うつ病や自殺につながる」と精神衛生上の問題点を衝(つ)く。老後は淡々と日々の営みをこなしているように見られるが、むしろ思わぬところで足を掬(すく)われないよう、日々自己点検のようなことが欠かせない世代と言えるかもしれない。

死そのものを恐れず

ニューズウィーク日本版9月12日号「憧れから天職に変わった葬儀屋という尊い仕事」の記事も、高齢者の生き方について考えさせられる。英国で、葬儀屋は女性の仕事ではないと言われ続けたが、ついに自分で葬儀屋を立ち上げたというリアナ・チャンさん(英国出身、グリーフ・カウンセラー)の話。その経緯は端折るが、リアナさんの経験上の確信である最後の文が決まっている。

「死は人生の大きな一部だ。しかし人は時として人生の長さばかりに目を向けて、『厚み』を見過ごしてしまう。/人は死そのものを恐れているわけではないと、私は思う。何かをやり残したまま生涯を終えることを恐れているのではないか。/争い事であれ、気持ちにけりがついていない問題であれ、自分が恐れているものの正体を解明して、チャンスがあるうちに解決することだ。それができれば、人生の一部として死を穏やかに受け入れることができるだろう」と。高齢者がやるべきことは少なくない。(片上晴彦)

spot_img
Google Translate »