不動産バブル崩壊等で危機に瀕する中国を分析するエコノミスト誌

対中投資が87%減少

問題なのは中国の経済危機が単なる不動産不況にとどまっていないということである。エコノミスト誌は中国の経済リスクを不動産不況に加えて、雇用不安、民営企業の不振の三重苦を挙げる。「3年にわたる厳格な『ゼロコロナ』政策が終わり、『ウィズコロナ』政策に転換した2023年に入ってからも中国経済の回復力は弱い。…要因の一つは若年層(16~24歳)の高失業率であり、今年6月は実に21・3%に達した」(斎藤尚登・大和総研主席研究員)と指摘。

さらに米中対立の激化が中国経済に大きな打撃を与えていると説明。「米中対立は中国経済に悪影響を及ぼしている。とくに半導体規制がじわじわと締め付けている」(小原凡司・笹川平和財団上席フェロー)、「外資企業も(ゼロコロナ政策による)政府の予測不可能性を意識する結果となったことで脱中国の検討が始まっている」(梅原直樹・国際通貨研究所上席研究員)と綴る。事実、今年4~6月期の外国企業による対中直接投資は前年同期比で87%減と最大の落ち込みを見せている。

続く「国進民退」路線

もっともこうした経済リスクを抱えた中国だが、いまだに世界の覇権国家たらんとする野望は捨てていない。台湾支配には武力行使も辞さない構えである。8月31日、中国が公表した最新地図には境界線がこれまでの「9段線」から「10段線」に改められ、南シナ海の9割近くを中国の権益が及ぶとした。これにはベトナムやマレーシアなどが猛反発して抗議しているものの何食わぬ顔である。

ただ中国が党主導で、民営企業よりも国策企業を優遇する政策いわゆる「国進民退」路線を継続し続ければ、雇用・景気回復は極めて厳しいと言わざるを得ず、かつて日本が長きにわたって歩んだバブル崩壊の道をまっしぐらに進んでいく可能性が高い。

(湯朝 肇)

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