不動産バブル崩壊等で危機に瀕する中国を分析するエコノミスト誌

世界経済のリスクに

東日本大震災で被災した東京電力の福島第1原子力発電所から海洋に放出された処理水を巡って中国が日本産水産物を輸入全面禁止とするなど強硬な対抗措置を取っている。国際原子力機関(IAEA)など多くの専門家が安全性を唱え、中国以外の国々が冷静な対応に終始している点を見れば、中国の言動は異様な光景とさえ見える。その一方で、中国国内の経済状況に視点を向ければ、不動産不況、若者の高失業率、加えて激化する米中対立で対中投資が激減するなど厳しい現実に直面している。

そうした経済リスクを抱える中国の危機的状況を週刊エコノミスト(9月5日号)が分析した。特集の見出しもズバリ「中国危機」。副題には「不動産神話の崩壊で中国に迫るデフレ」となっており、「世界経済の大きなリスクとして、中国の異変が急浮上している」と警鐘を鳴らす。

そもそも中国の不動産リスクは今に始まったことではない。2008年秋のリーマンショックで米国・欧州経済が債務超過で経済不況に陥る中で、中国は4兆元(当時のレートで57兆円)という景気対策を打ち出し、世界経済のトップクラスとして躍り出た。その後も「保八(8%経済成長維持)」を合言葉に積極的な経済投資が行われたが、18年頃から綻びが出始める。

エコノミスト誌は同年10月2日号で、山東省のルポ取材を掲載している。が、そこには、「周囲は荒れ地の高速鉄道駅周辺。無人マンションも乱立」と経済バブルの爪痕を紹介。そしてついに不動産開発大手の恒大集団が最初にデフォルト(債務不履行)を宣言したのは21年。同社の負債総額は3000億ドル(当時のレートで33兆円)ともいわれる。今年8月17日には同社は米ニューヨークの裁判所に連邦破産法15条の申請を行っている。

さらに懸念されているのは中国国内で最大手不動産開発会社の「碧桂園(カントリーガーデン)」の経営不振。同社の6月時点での負債総額は27兆円。今月5日、33億円に上るドル建て外債の利払いは回避されたものの、経営の先行きは依然不透明な状態だ。

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