「極右政党の躍進をストップできるか」を特集する独シュピーゲル誌

反ユダヤかつ反EU

ドイツ政界で今、最も大きな話題は、支持率で急上昇する極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)の勢いだ。独週刊誌シュピーゲル最新号(8月5日号)はAfDの躍進について14㌻の特集をし、どうしたらAfDの躍進をストップできるかを、同党の支持基盤の旧東独地域の現地取材を実施しながら追っている。

AfDの第14回党大会が先月28日、旧東独ザクセン・アンハルト州のマクデブルクで開催された。同誌のアン=カトリーン・ミュラー記者は党大会を取材した印象を「AfDは実際、民族主義的であり、民主主義に敵対的、人種差別的だ。反ユダヤ主義的な言葉が使用された場合でも、異議はほとんどなかった」と書いている。同記者の目には、AfDは明らかに反ユダヤ主義であり、反欧州連合(EU)、外国人嫌悪の政治家たちの集まりだ。そして彼らは過激主義的な言語を躊躇(ちゅうちょ) しないというわけだ。

独代表誌の記者が議会政党を危険と警告するということは珍しい。AfDの躍進がドイツ社会に危険だという判断があるのだ。ちなみに、ドイツでは連邦憲法保護庁が2021年3月にAfDを右翼過激主義の疑いがあるとして監視対象に指定している。

シュピーゲルの最新の世論調査(7月26日~8月2日)によると、「キリスト民主・社会同盟」(CDU/CSU)の支持率は26%で第1位、AfDはそれを追って第2位で19%だ。民間ニュース専門局ntvの調査ではAfDは20%を超えている。AfDは過去1年間で支持率をほぼ倍増しているのだ。

ちなみに、ショルツ連立政権の社会民主党(SPD)は19%、「緑の党」は15%、そして自由民主党(FDP)は7%と変わらなかった。3政党から構成されたショルツ政権は支持率では既に50%を大きく下回っている。

問題は、AfDの躍進も民主主義的な選挙の結果だ。AfDは旧東ドイツのテューリンゲン州のゾンネベルク郡で6月25日に行われた選挙で、AfDの候補がCDUの候補との決選投票を制し、首長に選出された。

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