「デジタルは人間を幸せにしたのか?」との団塊世代の疑問まとめた現代

「人間の領分」強調を

確かに利用者の閲覧傾向に合わせて広告を差し込んでくるのは鬱陶(うっとう)しいが、それを遮断することもできる。情報が偏ったり、たこつぼに入り込んだりしないようにするのは、ユーザーの自覚的な利用による。むしろ、デジタル機器と向き合う現代人のマインドとスキルを高めることの方が重要で、「使わない」という選択は極端過ぎるだろう。

「楠木建(経営学者)」は「仕事においても、HOW(どうやるのか)はAIが代替してくれます。人間に求められるのはWHATとWHY(なにをなぜするのか)でしょう」と述べている。やっとまともな意見が出てきた。「AIが代替できない人間の領分」をもっと強調すべきだ。

「アンデシュ・ハンセン(精神科医『スマホ脳』著者)」の指摘は重要だ。「人間の脳は、危険なことや、人と人との対立など、ネガティブな情報ほどより積極的に集めようとしてしまう」とし、「対立や危険を示す情報に、より大きな注意を向けるように脳ができている」と説明する。生存のための本能だ。

しかし巨大SNS企業はこの本能を利用する。より強い刺激をネットに流していくのだ。動画の閲覧数を稼ぐために過激化して反社会的な行動にまで出てしまう。既に社会問題化している。「21年にメタ(当時はフェイスブック)の内部告発で、インスタグラムは若者の精神衛生にとって危険であるという告発がありました」と紹介し、だからこそ「テクノロジーから自分を守る方法を身に付けなければならない」と強調した。

「やってみる」が大事

「野口悠紀雄(一橋大学名誉教授・経済学者)」は、「新しい技術は社会に対してプラスにもマイナスにも働きます。どう付き合っていけばいいのかを見極める」ことが必要だとし、「とにかくやってみるしかない」と結ぶ。

これが結論なのだ。先輩記者も最後はネットで記事を送ってきていた。四の五の言わずに、とにかくやってみることだ。

(岩崎 哲)

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