
「広島ビジョン」に言及多数
公明「対話」、赤旗「9条」
8月は広島と長崎に原爆が投下され、日本が終戦を迎えた月だ。新聞やテレビなどでも戦争と平和に関する報道が増えるが、政党機関紙も同様である。各党が核兵器や安全保障政策に関する記事を掲載している。
日刊の機関紙「公明新聞」や「しんぶん赤旗」は、終戦記念日の15日や翌16日を中心に党の談話や議員による街頭演説の内容などを取り上げた。月刊の「立憲民主」は原爆の日に関連して核兵器をテーマにした対談企画を組み、「自由民主」は紙に先駆けてウェブ版で終戦記念日に行われた政府主催の全国戦没者追悼式の記事を配信した。
多くの機関紙が言及したのが5月に行われた先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)だ。サミットでは首脳宣言とは別に、核軍縮・不拡散に関する共同文書「広島ビジョン」を採択。核軍縮に向けた核戦力データの透明化などを訴えた。またG7首脳がそろって広島平和記念資料館(原爆資料館)を視察したことも注目された。
公明新聞は15日付2面に終戦記念日の談話を掲載した。その中で広島サミットの開催に「深い意義」を感じるとし、G7首脳による原爆資料館訪問について「『被爆の実相』に触れたことを公明党は高く評価」すると述べた。
「赤旗」は15日付3面に小池晃書記局長の談話を掲載し、「広島ビジョン」について、「核兵器禁止条約には一言も触れないなど、被爆者はじめ多くの国民の願いをことごとく裏切りました」と批判。核兵器禁止条約への参加などを求めた。
「立憲民主」(8・18)は「戦後78年 核兵器のない世界の実現へ」と題して、広島選出の森本真治参院議員と、主に広島で活動する「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)共同代表との対談を1面と4、5面に3面展開で掲載した。「広島ビジョン」について、共同代表は「広島だからより力を持って伝えられるものが全然出てこなかった」とし、森本氏は「西側、NATO(北大西洋条約機構)との結束を示したことにより、むしろ対立が深まってしまう懸念がある」との見方を示した。
公明新聞、赤旗はこのほかにも、一般紙の社説に当たる「主張」や街頭演説を伝える記事などで党の主張を示している。公明新聞は一貫して「対話」の必要性をアピールした。15日付に掲載した党談話には「対話による政党が移行を実践」と見出しを付けた。また16日付1面トップには「平和創出へ対話貫く」との見出しで山口那津男代表が15日に行った街頭演説の内容を掲載。「戦争を止めるのは、対話による外交に他ならない」と強調した。
赤旗はかねてより岸田政権の安全保障政策を「大軍拡」と批判しているが、15日付「主張」でも防衛3文書の改定や敵基地攻撃能力、防衛費増などについて「無謀な戦争への準備に突き進んだ戦前を想起させる動き」と批判した。また岸田文雄首相が自身の党総裁任期中の憲法改正に意欲を示していることについて「戦争国家づくりと軌を一にしたもの」と断じ、「9条を生かした外交に積極的に取り組むべき」だと強調した。
「自由民主」(ウェブ版)は15日付で全国戦没者追悼式の記事を配信。岸田文雄首相の式辞と天皇陛下のお言葉を中心に報じた。終戦記念日に当たって核や安全保障に言及した記事などは現時点ではない。15日の党声明では「毅然とした外交・安全保障で日本を守り抜き、世界の平和と繁栄に尽力」すると決意している。与党として現実的かつ責任ある政策を期待したい。
(亀井 玲那)







